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ベトナム株投資家なら知っておきたい経済政策、各業界の追い風・向かい風【2022年前期】

ベトナム株&新興国投資 投資のヒント

ベトナム株投資をしている人 「ベトナムの個別株への投資ってチャンスも多いけど、低迷する企業も少なくないって聞きました。やっぱり損はしたくないので、投資家として抑えておきたい経済政策をおしえて!!」

今回はこんな疑問に答えます。

記事の前半では経済全体への影響が大きいベトナムの経済政策を中心に、後半では特定の業界や企業に大きく影響するトピックとその関連銘柄について紹介しています。

記事を読むとベトナム株の中で追い風が吹いている企業や業界、反対に逆風の企業や業界など投資のヒントになり得る情報があるかと思います。関心があれば続きをどうぞ!

ベトナム経済全体のトピック

まずはベトナム経済全体に関連するトピックを5つ解説していきます。

①日本で言う消費税が10→8%に減税

ベトナムでは今年(2022年)2月から経済回復策として、VAT(付加価値税)が10%→8%へ2%減税されています。VATはざっくり言うと日本の消費税と同じです。

金融や不動産などの一部の商品、サービスは減税の対象外になっていますが、経済全体への好影響が期待されます。現状では、減税期間は12月までとされています。

②減税でガソリン価格高騰に歯止め

今月(2022年4月)に入り、世界的な原油価格の高騰で上がり続けていたガソリン価格が、環境税の減税によって下がってきています。

ガソリン価格推移

(引用元の英文ニュース)

去年(2021年)の12月以降上がり続けていましたが、3月末をピークに価格高騰に歯止めがかかっているのは朗報です。

③2022年~関税協定「RCEP」が発効

今年(2022年)から日本、中国、韓国やベトナムを含むASEAN10カ国など計15ヶ国の自由貿易協定が発効しています。

ただRCEPの関連ニュースをみると「ベトナムにとって輸出拡大に大きくプラス」などと報じるメディアが多いのですが、筆者はすでにベトナムは多くの関税協定を結んでいるためそこまでプラス@はないかと思っていました。

なんとなくそう思っていたら、自分がツイートで紹介したニュース記事にフォロワーさんから上記のリプを頂きました。VIETJOサイトの記事タイトルでは収入が大幅増と書かれてますが、RCEP適用と非適用の差が0.1倍しかない試算みたいです。ベトねこ太郎さん、気づきをありがとうございます!

ただ昨年ベトナムがEUと結んだ関税協定などで、水産株などは輸出の大幅増加につながるなど輸出の拡大という入口から個別株を探してみるのはアリかなと思います。

そのほかの関税協定やベトナム株の魅力は下記の記事で解説しています>>知る人ぞ知るベトナム株投資の魅力

特定の業界や企業への追い風、向かい風

ここからは特定の業界や企業への追い風や逆風となるトピックを4つ解説していきます。

①風力発電の優遇措置が終了→延長を求める動き

昨年(2021年)の10月末でそれまで実施されていた風力発電の新規プロジェクトへの優遇措置が終了しています。

以後、優遇措置の延長を求める動きが関連する企業や業界からされていたようですが、この記事を書いている現在(2022年4月上旬)では、再延長には至っていません。

優遇措置の終了前には、新プロジェクトの開発を急ぐ、駆け込み需要が発生していたほか、期限に間に合わなかった結果、政府に救済を求める事業者も出てきているようです。風力発電への投資やプロジェクトを実施している企業の経営状況は注視が必要かと思います。

✅【関連する上場株】:GEX,GEG,KOS,REEなど。

②石炭火力発電の生産量が低下

火力発電 イメージ

ベトナムでは今月(2022年4月)に入って、電力不足が心配されています。ベトナム北部、中部の火力発電所では、石炭が足りず、生産を通常の60~70%に削減しているようです。

ベトナム政府は、石炭をオーストラリアから輸入するなどして電力不足に対応しています。火力発電の株式はPPC(ファーライ火力発電)が昨年は配当利回りが20%を超えるなど高配当株が多いのですが、生産量の減少が続く場合、配当利回りが低下することが予想されます。

✅【関連する上場株】:PPC(ファーライ火力発電)など、火力発電銘柄。

ベトナム株の中で高配当株や高配当株の調べ方は下記の記事で解説しています>>ベトナム株投資家だけが知っている高配当とその調べ方

③VIC(ビングループ)に追い風のEV(電気自動車)に対する優遇策

ベトナム株の中でも時価総額トップクラスのVIC(ビングループ)は、ビンファスト(VinFast)というブランド名でEV事業を強力に進めています。国を代表する企業ということもあり、ベトナム政府も税制面でバックアップをしています。

電気自動車(EV)に対する初回登録料は、3月1日以降の3年間(2022年3月1日~2025年2月末)を免除とし、それ以降の2年間(2025年3月1日~2027年2月末)については同じ座席数のガソリン車とディーゼル車に対する登録料の50%とする。「引用元:VIETJO記事(対EV登録料3年間免除)

具体的には上記の通り、3年間EVに対する登録料を免除する政策が3月から始まっています。

ビングループは昨年(2021年)にスマホとテレビ事業から撤退し、現在は不動産(ビンホームズ)とEV事業に注力しています。

ビンファストは「欧米市場で販売を伸ばしていけるのか」、「ベトナム国内でも充電スタンドの整備」といった課題もありますが、国を代表する企業ということもあり、今後もベトナム政府の強力なバックアップが追い風になりそうです。

✅【関連する上場株】ビングループ系3銘柄:VIC(ビングループ)、VHM(ビンホームズ)、VRE(ビンコムリテール)

④銀行株は2022年、現金配当を出せない

銀行 イメージ画像

ベトナムの国家銀行(中央銀行)は、経済回復の支援のためにすべての商業銀行に対して2022年は株主に現金配当を支払わないよう指示を出しています。(参照元の英文記事はコチラから)

貸出金利を引き下げ、企業が銀行から事業資金の借り入れしやすくするための支援策です。ベトナムでは定期預金の金利が12ヶ月で6〜7%の水準にありますが、お金を貸す側にとって高金利は魅力です。ただそれは借りる側となるとそれ以上の水準の金利を支払わなければならないことを意味します。

各銀行の株主還元策は今年(2022年)に限っては株式配当となる銀行が多そうです。

✅【関連する上場株】:VCB(ベトコムバンク),TCB(テクコムバンク)などすべての銀行株

まとめ(勝つ投資より負けない投資)

株価 イメージ

知っておきたいベトナムの経済政策を紹介してきました。このほかにも「これ知っておいたらいいかも」というトピックがあればTwitterなどでコメントいただけるとうれしいです😃

こういった経済政策やそれぞれの業界の変化などを知っておくことで、個別株を選定するときにも逆風やマイナスな要素の多い銘柄を選ぶ確率を下げられ、大きな損失を出さない投資につながると思います。

長期投資のコツや優良企業の見極め方などは「教養としての投資」という本から学びました。下記の記事では読んでよかった投資のおすすめ本を紹介しています>>忘れがちな投資の教えをスキマ時間に学ぶ方法

最後までお読みいただきありがとうございます。ではまた!