少額でも不動産投資ができる日本のREITとベトナム株式市場で唯一のREITを解説
この記事では、前半部分ではREITの特徴から日本で数千円から買えるREITの紹介、後半部分ではベトナム株式市場で売買可能な唯一のREIT(不動産投資信託)について解説していきます。
「REITって何?」「REITのメリット、デメリットは?」「いくらから投資できるの?」「ベトナムでもREITってあるの?」
こういった疑問に答えていきます。気になる方は続きをどうぞ!
そもそもREIT(リート)とは
REIT(リート)とは、投資家から集めた資金で不動産へ投資し、賃料収入や不動産の売買益を原資に投資家に配当を分配する商品です。「不動産投資信託」とも呼ばれます。
一般的に不動産投資をする場合、多額の資金が必要ですがREITであれば少額から間接的に様々な不動産のオーナーとなり運用益が得られます。
「不動産と株のいいとこ取り」をした、ミドルリスクミドルリターンの商品と言えるかと思います🤔
REITのメリット、デメリットを解説
REITのメリットを書き連ねてみると、主に以下の4点かと思います。
- さまざまな不動産へ分散投資ができる
- 株式と同じくいつでも売れる
- 少額から買える
- 配当利回りが高い
1~3は特定の物件に対し不動産投資をすることをイメージしてもらえるとわかりやすいと思います。
不動産投資をする場合の多くは、一つの物件に対し1000万円以上の資金が必要です。一方、REITの場合は一つの商品で様々な不動産へ分散投資ができ、少額から買えるのがメリットです。
④の「配当利回りが高い」というのは、日本の税法上、REITを運営する投資法人は税金が安くなる対象になっていることが理由の一つです。
一定の条件を満たす投資法人が、税引前当期利益(税法上の所得)の90%超に相当する額を、分配金として投資主に支払うならば、その分配金に相当する額を法人税法上の「経費」として計上することができると定めている。 三井住友トラスト不動産HPより引用
つまり、日本ではREITを運営する投資法人は当期利益の9割を分配すれば、その分、税金が安くなる租税特別措置法の対象で、運用利益から経費を引いたほぼすべての利益を投資家に分配しています。そのため、一般的な投資信託より利回りが高いそうです。
一方でデメリットを挙げると①不動産市場が大きく下落することがあれば実物の不動産以上に下落しやすく相場の変動が激しいこと②投資先の不動産が地震などの災害で被災した場合のリスクなどがあります。
また、先述したメリット以外には、日本で家を賃貸で借りている方が家賃の値上がりのリスクに備えるため日本のREITを持っておくとよいという考えを経済評論家の勝間和代さんが著書で述べていました。
家賃は不動産が値上がりすると上がりますが、そのときはリートの価値も上がるので、日本のものを買っていると家賃が上がった分をリスクヘッジできる 「勝間式ネオ・ライフハック100より引用」
日本に限らず、賃貸で部屋を借りている方は、家賃の値上がりに対するリスクヘッジとして居住する地域のREIT商品を持っておくというのは賢い資産運用のあり方なのかもしれません🤔
日本の証券会社から買えるREIT
日本の証券から買えるREITとして、先述した家賃が上がった場合のリスクヘッジとして良さそうな商品としては「NEXT FUNDS 東証REIT」があります。
こちらは東京証券取引所に上場している50以上あるREIT銘柄を対象にした「東証REIT指数」に連動した値動きを目指したETFです。ETFとは平たく言うと、株式市場に上場していて株式と同じように売買が可能なものです。これ一つで幅広い不動産へ間接的に分散投資が可能です。
つまり、東証REIT指数の銘柄すべてに投資しているのと同じ効果が得られて株式と同じくリアルタイムの値動きに対し投資ができます。
↑こちらは「NEXT FUNDS 東証REIT」のここ最近の配当実績です。2020年、2021年と2年続けて1年に4回、配当が出ています。
「NEXT FUNDS 東証REIT」の商品詳細ページはコチラ
こちらのREIT、通常は10口=10株から買うことができます。記事を書いている11月中旬では1株が約2,200円だったので10株の場合は2万2千円の投資額が必要になります。
LINE証券ではいちかぶ(約2,200円)から買える
ただ、LINE証券の場合は投資のハードルが低くこのREITを含め多くの銘柄が1株(この商品の場合1株の値段の2200円)から買うことができます。これから投資を始めたい方に最適です。
※LINE証券は期間限定で口座開設しクイズに答えると3000円分の株がもらえるキャンペーン中です。気になる方はコチラの別記事をチェックしてみてください。
ベトナム株式市場で買えるREIT
ベトナム株式市場に上場しているREITは「テクコム・ベトナムREITファンド」というファンド1つのみです。ティッカーコードは「FUCVREIT」※「FUCVREIT」はベトナム現地の証券会社からのみ売買可能。(2021年11月時点)。
ベトナム現地の証券会社の選び方やメリット、デメリットなどはnoteでくわしく解説しています››ベトナム現地証券会社の選び方ガイド
ベトナムでは2013年にREIT制度が整備され、2016年に先述したこちらのリートがハノイ証取に上場、翌2017年にホーチミン証取に鞍替え上場しています。
テクコム・ベトナム・REITファンドを解説
「テクコム・ベトナムREITファンド」はオフィスや商業施設、ホテルなどが投資対象です。ベトナムの大手商業銀行であるテクコムバンクが発行しています。
資本金は500億ドン(日本円で約2億5千万円)と主に大企業が上場するホーチミン証券取引所(HOSE)の中では規模が小さい方です。2017年にHOSE上場以後、規模は変わっていません。
REITの規定では、①ファンドが65%以上の資本を持っている or ②資本100%が不動産のプロジェクトや不動産株へ投資されている必要があるそうです。
ただ、先述したように資本金の規模が小さいため特定の不動産プロジェクトへ直接の投資はしておらず、不動産株や不動産の債権へ投資しているようです。(2021年11月時点)
(参考元のベトナム語記事はコチラ)
不動産市場が盛り上がった頃に暴騰
チャート出所:Trading View
上記はここ1年の株価推移です。注目したいのは、3月中旬から株価が急上昇し4月末に33,500 vndとなり、1ヶ月半ぐらいの間で3倍になったことです。
この上昇は当時(3~4月頃)のベトナムはコロナの感染者数も落ち着いており、国内では制限もなかったために不動産市場に明るい見通しが出て、不動産価格が上昇していたためだったと考えられます。
ただ、その後に6月頃から再度、感染者数が急増し経済活動に制限がかかった結果、不動産市場も冷え込み、このファンドも上昇した分が再度、下落しています。
近い将来にまた波が来る!?
ベトナム国内の不動産市場が再び盛り上がってきたときに、このファンドも再び注目され、株価が上昇していく可能性が高いのではと筆者は考えました。
ベトナムで有望なプロジェクトをみつけて不動産投資をする方が旨味はあるのかもしれませんが、私自身そんな資金はなく、不動産投資の知見が全くないので😅
そこで株価が10,000ドン前後を推移していた10月中旬から少しずつこのREITを買い始めました。なぜ少しずつ買ったのかと言えば、一日の出来高が少なかったためです。出来高が少ない銘柄は流動性リスクが高く、安易に買ってよい銘柄ではないことを念のため記しておきます。
2000株分を買おうと思い何度かに分けて買ってきましたが、買い終える前に後述する変化が起きはじめてしまいました💦
11月中旬から出来高が増えてる
紹介してきたベトナム唯一のREITですが、11月中旬になり変化が起きています。
↑こちらはVietstockで調べたここ最近の動きです。10月中から11/10までは出来高は4桁だったのですが、11/11以降、買い注文が多く入りはじめ出来高が増え、株価が上昇傾向になっています。
わたし自身、なぜ株価が上がりはじめているのか理由が掴めてないのですが😅、ここ最近の不動産市場に変化があるからなんでしょうか!?
ベトナム在住者なら高配当銘柄として長期保有がよいかも
このREITは1年に1回のペースで配当を出しており、年間で出た利益の最大90%を毎年分配していくとファンドが規定しています。直近では5月下旬に1株1,400ドン出ています。ここ数ヶ月は株価が10,000前後で推移していたので、次回も同額程度の配当が出るとしたら利回りは10%を超えそうです。
わたし自身は「銀行の定期預金の6%前後の金利よりは高い利回りが得られそうかなーという考えと、不動産市場の冷え込みの可能性は低そうで、盛り上がったときは再び株価が上がっていく可能性ありそうだなー」という考えで買いました。
今後もし、「株価が2倍になるようなことがあれば半分売り、残りは恩株」として年に一度の配当を受け取れればいいかなーと考えています😌
(FUCVREITの最新の株価はコチラ)
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は日本で少額からでも買えるREIT商品の紹介と自分が保有しているベトナム株式市場で買える唯一のREITについて解説してみました。
読者の方でベトナムで不動産投資をされている方や不動産市場の知見がある方がいれば今後の不動産市場の見通しなど、ぜひぜひコメントいただければ幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます!