成長著しいベトナムの株式や新興国株、利回り投資サービスを解説中

円安ドン高はベトナム株投資家に朗報!一方で日本の物価停滞が恐ろしい…

ベトナム株&新興国投資 投資のヒント

この記事では、ベトナム株へ投資をする際にも気になる下記3つのテーマを解説しています。

  1. 日本円とベトナムドンの為替の動き
  2. 為替の今後の見通し
  3. 外国株への投資が資産防衛につながること

こうしたテーマに関心あれば続きをどうぞ!

ベトナムドンと日本円の為替

JPY/VND 1年チャート

(最新の為替チャートはグーグルで「JPY VND」と打つとトップに出てきます)

上記チャートはベトナムドンと日本円の2021年の年初~10月上旬までのチャートです。

2021年の年初は1円が220ドンを超えていましたが、7月以降は210円を割り込みこの記事を書いている2021年10月上旬は1円=203ドンとなっており、1円あたり約20ドンの差が出ています。

チャートの通り円安ドン高が進んでいます。つまり、日本円の価値が下がりベトナムドンの価値が上がっています。

↑※【2022年3月下旬に追記】先述した状況がこの記事を書いた約半年後(2022年3月下旬)になって、さらに加速していました。

「日本円の価値が下がっている」と聞くとマイナスな印象を持つかもしれませんが、円安ドン高の傾向はベトナム株へ投資されている方にとってはプラスに働きます。

あまりピンと来ないかと思うので具体例を出してみます。

例えば今年(2021年)の年初に30万円分のベトナム株を購入→10月時点で株を売却する場合、下記の計算になります。

(計算をシンプルにするため1円=220ドンで購入、1円=200ドンで売却としています)

  1. 1円=220ドンのとき(2021年の年初)、30万円分、ベトナム株を購入(=220×30万=66,000,000 vnd)
  2. 1円=200ドンのとき(2021年10月上旬)購入した30万円分の株を売却(=66,000,000を200円で割り算)
  3. 為替差益により出金額は33万円(=3万円の利益)

為替のみで考えれば円高ドン安のときにベトナム株を購入し、円安ドン高のときに売却することで為替差益が得られます。※売買手数料や税金などは一切考慮していません。

これはベトナムの現地口座を使っている場合でも日本から投資資金を送金する場合は同じ理屈となります。

ここ1年では円安ドン高が進んでいる傾向でしたが、もう少し長期でみるためにここ5年のチャートをみてみました👇

JPY/VND 5年チャート

ここ5年でみると日本円とベトナムドンの為替は1円が200~220ドンの範囲で動いていることが多いのがわかります。

ここ5年の為替の動きだけでは、日本からベトナム株の購入は1円=210ドン以上のとき、売却は1円=210ドン以下のときにすれば、為替では損をする可能性が低いのではと思います。かなりざっくりとした結論ですが💦

ただ、長期ではベトナム株の上昇余地が大きいと考えられるので、「為替は過度に気にしなくていいのかな」、「これからを考えると為替の面でもベトナム株(外国株)投資はプラスに働くのでは」と個人的には思います🤔

というのも最近、こうした外国では物価が年々高くなっていっているのに対し日本はほぼ物価が変わっていない状況が本やニュースなど様々なメディアの発信もあって問題意識が高まっているのを感じます。

次の見出し以降では「安いニッポン 価格が示す停滞」という書籍と「週刊エコノミスト10/5号 安い日本 超円安時代」という経済誌を読んだ上での自分なりの考察を含め書いていきます。

日本の物価はここ20年ほぼ同じ一方、他国は上昇

物価の停滞

00年以降の約20年間でみると日本の消費者物価指数は2.6%しか上がっていない。一方、その他の国をみると米国の消費者物価指数は54%、ユーロ圏は40%、英国は51%、中国は60%も上昇している。引用元:エコノミスト10/5号

日本の物価はここ20年でほぼ変わっていないのが現状です。

具体的なデータをみるために総務省統計局の公表データをみてみたのですが、ほとんど変わっていないのがわかります。(総務省統計局公表データ)

一方ここ20年で米国や中国はじめ多くの国で物価がかなり上がってきています。

筆者の住むベトナムも2016~2020年の間は毎年物価が2~3%上昇しています。(参考ニュース:ベトナム経済を振り返る:物価上昇率(CPI)編 2020年版)

コロナ以前のベトナムの数年間は毎年少しずつ物価が上がる→給与も上がる→消費も増えるという経済の好循環が成立していました。

筆者は2016年からベトナムに住んでいますが、毎年少しずつコーヒー1杯の値段やよく行く飲食店の値段が上がったりしていたのを実感していました。

日本も現在、日銀が2%の物価上昇の目標を立てていますが、2%ほどの物価上昇がこうした経済の好循環を生み出すことをベトナムに来て肌で実感しています。

他国との物価上昇の差を為替が反映していない

為替 イメージ

日本の物価がここ20年ほとんど変わっていない一方で他国の物価が大幅に上昇してきたことを先述してきました。

これはすなわち、日本円という通貨の価値が他国に比べて上がっていることを意味します。

ただ、実際の為替は物価上昇の差を反映していないどころか、逆に円安の方向に動いてしまっています。

つまり、低インフレの日本円が高インフレ国通貨に対してどんどん安くなる不思議な現象が起こっています🤔

日本人の給料は上がらない一方、海外の人の給料は上がり、現地のモノやサービスの価格は上昇する。本来それを為替レートが調整するのだが、その機能が働かなくなっている。引用元:エコノミスト10/5号

消費者の反応も物価上昇を妨げる一因

消費者 イメージ

日本の物価が上がらない、また為替レートも物価の差に合わせて調整されないという状況が深刻な問題となることはここまでの話で少しずつわかってきたのではと思います。

約30年前の日本は相対的に物価も円の価値も高くその恩恵を受けていました。

80年代後半から90年代までは、海外から来日した外国人は、一様に日本の物価の高さに文句を言い、一方、日本人は海外の免税店で割安なブランド物を買いあさった。引用元:エコノミスト10/5号

ただ、今後は当時とは真逆の状況がこれからより一層進む可能性が高いことは知っておいて損はないかと思います。

こうした状況が起こった原因は複合的なものでこれまでの経済政策に大きな原因があるとも言われていますが、消費者の姿勢、具体的には日本と外国の消費者の反応の差も一因だそうです。

先日こんなツイートをしたのですが、回転寿司チェーンのくら寿司は米国では日本より人件費が高いこともあり1皿300円に設定してるようですが、お客さんの反応は300円でも安いという声が多数あるそうです。

米国人は値段にそれほど神経質ではない一方で日本人は価格に対して敏感、神経質な傾向があるそうです。こうした価格に対する反応の差というのは根深い問題だなーと感じました。

またこうした一般に為替レートによって物価が調整されると考えられるものが、実際にはそうなっていない理由を経済学では「価格差別」と言います。

価格差別とは

価格 イメージ

同一の・サービスを買い手ごとに異なる価格で販売する企業のマーケティングの一つ。引用元:コトバンク

価格差別とは、先述したくら寿司の例のように同じ商品を米国と日本で売る場合に消費者の反応が違うから違う値段を付けることです。

先ほどの例の価格差別は日本と外国での例でしたが、今後は日本国内でもこういった価格差別が起こる状況になってくるかもしれません。

コロナ以前は円安、日本の物価の安さが大きな理由で多くの外国人観光客が訪れていました。

今後、外国人観光客の受け入れを本格的に再開し以前のように多数の観光客が来ると、観光業はじめ日本経済全体にとって喜ばしいことではあるものの、日本国内にも日本人が手に届きづらいモノやサービスが増える未来が来ることも想定されます。

いずれ良いモノ・サービスの価格は、外国人向け価格で高く設定されるようになり、日本人には手の届かない水準になってしまうかもしれない。引用元:エコノミスト10/5号

日本がより相対的に貧しくなっていく状況が加速するであろうことを理解しておくことは今後、個人がどう行動していくべきかを考えるヒントになるかと思います。

こうした日本経済の構造的な問題はこの本にもくわしく解説されているので関心のある方は一読をおすすめします。

外国株投資は資産を守る防衛策

外国株投資 イメージ

この記事の冒頭ではベトナムドンと日本円の為替が円安の方に動いているため、半年前に買っていた株をいま売った場合に為替差益が得られることを解説しました。

日本の物価が停滞している状況+円安の状況の中で個人が資産を守るためのひとつの選択肢となるのが外国株への投資です。

JPY USD チャート

(最新の為替チャートはグーグルで「JPY USD」と打つとトップに出てきます)

上記は日本円とUSドルのここ1年ほどの為替チャートです。2021年の年初より現在は円安が進んでいることがわかります。

円の価値が下がる(=円安が進んでいる)のはベトナムのような新興国通貨に対してだけではなく、USドルに対しても起こっています。

資産の一部を外国株へ投資することは今後はより一層、一般的な選択肢となるでしょう。

まとめ(円安は構造的な問題)

円安ドン高は外国株に朗報

記事後半から述べてきた日本の物価停滞や円安は構造的な問題ではありますが、ひとりの消費者としてはまず「価値あるモノやサービスには相応の値段を払う」というマインドを持つことが大切だと思います。

この記事の中で紹介した週刊エコノミストはアマゾンの電子書籍読み放題サービス「Kindle Unlimited」で読めます。通常は月額980円ですがはじめて使うときは30日無料体験が可能です。

下記の記事ではKindle読み放題で読めるイチオシの投資本を紹介しています>>投資の学びを深められるおすすめ本3選

 

ただ、Kindle 読み放題では読める雑誌が少ないです。経済誌を読むために筆者は楽天マガジンを活用しています。

楽天マガジン」は月額418円で雑誌読み放題のサービスです。

支払いに楽天の期間限定ポイントも使えます。こちらも初回31日無料体験ができ、無料期間に解約可能です。

「プレジデント」や「週刊東洋経済」といった経済誌も楽天マガジンで読めます>>【31日無料で経済誌が読み放題】楽天マガジンの始め方

最後までお読みいただきありがとうございます。ではでは!