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【2025最新】ホアファット(HPG)の展望と配当予想【ベトナム株】

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鉄鋼大手・ホアファットが気になる人 「ベトナム株でよく名前が出てくるホアファットグループってどんな企業??今後の見通しをおしえて!!」

こんな疑問に答えます。(記事更新日:2025年3月8日)

ベトナム株🇻🇳で投資先を探そうと思っても中々、その企業のことをサクッと知れる情報少ないですよね。

そこで、今回はベトナム株で認知度が高いけど取っつきにくいイメージもあるベトナム最大の鉄鋼メーカーのホアファットグループ(HPG)を解説。

ホアファットは近年、株価は低迷していますが2025年以降は新たな工場の稼働がスタートし生産力の増強を図ったり鉄鋼生産に加えて近年はコンテナ製造や不動産事業など経営の多角化を進めているなど経営改革を進めている企業。

2025年に入って米国トランプ政権が強行な関税政策を進めたりする中、ベトナム最大手の鉄鋼株であるホアファットグループもここへ来てポジティブな見通しが出てきています。

そこで2017年からベトナム🇻🇳在住し2019年からベトナム株へ投資を始めた筆者が2025年最新のホアファット株の展望や今後の配当計画の見通しを解説していきます。

この記事を最後まで読むと、

  • 【ベトナム株】ホアファットグループはどんな企業か。
  • ホアファット株の株価推移と配当実績、2025年の配当予想
  • 【2025最新】ホアファットグループに追い風となる2つのトピック
  • 100円から間接的にホアファット株を買える投信

がわかります。

ホアファットはベトナム最大手の鉄鋼メーカー

ホアファット鉄鋼 HPG ベトナム
社名 ホアファットグループ
ティッカーコード HPG
主な事業内容 建設用鋼材や鋼板などの鉄鋼生産、販売
会社HP(英語表記あり) https://www.hoaphat.com.vn/
HPG以外に上場する主なベトナム鉄鋼株 ・HSG(ホアセン鉄鋼)・NKG(ナムキム鉄鋼)
日本の証券会社での取扱い SBI証券:◯ ・アイザワ証券・◯

HPG(ホアファットグループ)はベトナム国内で高いブランド力を持つ最大手の鉄鋼メーカー。

1992年に設立、2007年に株式上場。

建設用鋼材、鋼管の分野ではベトナム国内でトップシェアを誇ります。

HPGが生産する熱間圧延コイル(HRC)【画像の出所:同社HP】

上記画像はホアファットが生産する熱間圧延コイルと呼ばれる鋼材。この鋼材は建設や自動車、機械製造など幅広い産業で使われています。

また、近年は周辺国のタイやマレーシアにも鉄鋼を輸出しており、東南アジア全体でも存在感が高まっています。

ホアファットは近年、事業の多角化を推進

ホアファットの主力事業は鉄鋼生産ですが近年はコンテナ製造や家具、不動産、農業にも手を広げるなど事業の多角化を進めています。

(画像の出所:同社HP

現在の主力事業である大きなハサミが存在する間に将来の主力事業になりうる小さなハサミも育てていくという「両利きの経営」っていう経営理論が近年、注目されていますがHPGもまさにこの考えを実践している印象です!!

ただ、ベトナム最大の複合企業(コングロマリット)のビングループも以前はスマホや小売り事業に乗り出したものの、上手くいかず数年で撤退、2025年現在は不動産とEV事業に経営資源をある程度集中しています。

ホアファットもビングループと同じような試行錯誤を繰り返していく中で、その中から鉄鋼と並ぶ収益の柱になる事業が一つでも出てきたらという目論見なのかなと筆者は考えています🤔

【HPG(ホアファット鉄鋼)】業績の変化

続いてホアファットグループの近年の業績をみていきます。

以下は2021年〜2024年、直近4年の業績です。

ホアファット鉄鋼 業績

(業績の出所:ベトナム金融情報サイト「Vietstock」)

ホアファットグループは現状は鉄鋼生産が事業の柱となっているため、

  • 国際的な動向
  • 国境を接する中国🇨🇳から安価な鉄鋼が入ってくる影響
  • 2022年頃に国内不動産市場のバブル崩壊直後に鉄鋼需要が低迷

したことなどによる影響を大きく受けています。

2021年は売上高(Net revenue)、営業利益 (Operating profit)ともに好調でしたが、その後3年は21年と比べると売上、利益ともに業績を落としています。

✅️続いてはHPGの配当実績と2025年の配当予想をしていきます。

ホアファットの配当実績と2025年の配当予想

以下、筆者が独自にまとめた表をご覧ください。

2021年以降のホアファットの配当実績を出しています。

ホアファット 配当

2021年と2022年に30%を超える株式配当と現金配当を出していましたが、2023年は配当はなく24年も10%の株式配当のみに留まりました。

これはホアファットグループが近年、鉄鋼の生産ライン増強のために新工場の建設へ資金を投じていたことに起因しています。

ホアファットグループは2025年、現金配当を出す方針

ホアファットグループ

ホアファットグループは2024年の株主総会で株主から配当について問われた際、「2025年からは事業への投資も継続しながら、株主還元、現金配当も出していく方針」であることを会長が明言しています。(情報の出展のローカル記事:DNSE

2025年の配当は3月〜5月頃に実施される2025年度の株主総会で正式に方針が決まる見通しですが、2021年や2022年と同水準、もしくはそれ以上の現金配当が出る可能性が高いと筆者は予想しています。

✅配当利回りの高いベトナム株の調べ方やおすすめの高配当ベトナム株などは以下の別記事で解説しています
>>【2025最新】ベトナム株でおすすめの高配当銘柄と投資の罠を解説

ホアファットの株価推移

続いてホアファットグループの直近5年の株価をみてみます。

以下チャートは2020年3月〜2025年3月上旬のHPGの株価推移です。

ホアファット 株価

(チャート出所:Trading View)

直近5年のHPGの株価はざっくりと

  • コロナショックがあった暴落した2020年3月:1株7,000vnd以下
  • 業績が好調となり2021年10月:暴落から5倍以上となる1株40,000vnd超えを記録
  • その後にベトナム国内の不動産市場が低迷し株価は再下落

という流れになっています。

2025年3月時点で株価は1株28,000vnd前後を推移しています。

✅️再び2021年後半に記録した1株4万ドンの水準に向かっていくのか、気になる今後の展望は次の章で解説↓↓

【2025年最新】ホアファットの今後の展望

ここからは2025年以降のホアファットグループの経営に追い風となると考えられる以下2つのトピックを紹介。

  1. 新工場の稼働スタートで生産力増強へ
  2. 中国からのベトナムへの鉄鋼輸入に課税でホアファットのシェア拡大か

それぞれ解説します。

1:新工場の稼働でHRCの生産力が倍増へ!!

ホアファットはベトナム中部クアンガイ省に大規模な製鉄所を構えていますが、ここに建設していた2つ目の新工場「Dung Quat 2(ズンクアット2)」にある最初の高炉が2025年の第1四半期に試験運転を開始、その後に本格生産をスタートする計画。

ベトナム中部クアンガイ省にあるズンクアット製鉄所。

この工場で生産するのは熱間圧延コイル(HRC)と呼ばれる鋼材、先述の通りこの鋼材は建設や機械製造などに使われるもの。

📖創業以来ホアファットが大規模な設備投資を行ってきた歴史やズンクアット製鉄所のレポートを日本の証券アナリストの方が2020年頃に書かれてました。ホアファットの製鉄所の理解をより深めたい方は参考になるかと>>今井アナリストの企業訪問記 

この第2工場の本格稼働によってHRCの生産能力は

  • 2024年まで:約300万トン
  • 2025年以降:約860万トン

に高まる見込み。

熱間圧延コイルの需要はベトナム国内のほかにタイやマレーシアなど周辺国でも高まっておりホアファットの製品も東南アジア周辺国にも輸出されています。

生産能力の増強は今後の売上、業績に寄与していくと見込まれます。

2:中国からベトナムに入ってくる不当に安価な鉄鋼への課税でHPGのシェア拡大か!?

2つ目にホアファットに追い風になるトピックが、2025年3月からベトナム政府はこれまで中国🇨🇳からベトナムへ不当に安価に入ってきていた鉄鋼輸入に対して課税を強める方針を出していることです。

Vietnam will impose a temporary anti-dumping levy of up to 27.83% on some steel products from China, effective from early March.The tariff on hot-rolled steel products is expected to take effect from March 8 and will be in place for 120 days, according to a trade ministry document dated Feb. 21.

【和訳】ベトナム政府は3月上旬から中国からの一部の鉄鋼製品に最大27.83%の一時的なアンチダンピング税を課す。貿易省の文書によると熱間圧延鋼材に対する関税は3月8日から発効する予定で適用期間は120日間。(引用元:VnExpress)

ここ数年、ベトナムは国境を接する中国から安価な鉄鋼が大量に流入する事態になっていました。それによりベトナム現地の鉄鋼メーカーの競争力が損なわれていた側面も。

そこでベトナム政府は反ダンピング課税(アンチダンピング課税)と呼ばれる措置を課すことを決定。

反ダンピング課税とは、

📖 輸出国の国内価格よりも低い価格による輸出が、輸入国の国内産業に被害を与えている場合にその価格差を相殺する関税を賦課できる措置。この措置は、WTO協定(GATT・AD協定)において認められているもの 引用元:経済産業省HP

平たく言うと中国からベトナムへの安価な鉄鋼輸出が輸入国であるベトナム国内の鉄鋼業にダメージを与えていたため、その価格差を相殺するためにベトナム側が関税を課す決定を下したということです。

これによってベトナム国内で鉄鋼シェア首位のホアファットの競争力が相対的に高まることで業績に好影響をもたらすことが予想できます。

米国・トランプ政権の関税政策でベトナム鉄鋼株は明暗わかれる公算が高い

先述した2つの好材料に加えてホアファットグループを含むベトナム鉄鋼業にも影響が出てくると予想されるのが、2025年3月から発動見込みの米国トランプ政権による関税政策。

トランプ大統領は2月10日、アメリカに輸入される鉄鋼製品とアルミニウムに25%の関税を課す文書にそれぞれ署名。ホワイトハウスの発表によりますと、発動は3月12日。(引用元:NHKニュース

ベトナムやカナダ、メキシコなどからアメリカへ輸入される鉄鋼製品に対して米国政府は3月12日以降に25%の関税を課すことを決めています。

ただ、この関税政策がベトナム鉄鋼株にマイナスの影響を与えるとは限りません。

📖トランプ関税🇺🇸で生まれるベトナム鉄鋼株🇻🇳のリスクと投資妙味については以下の有料noteで徹底解説しています。有料なので深く学びたい方向けです。すでにホアファットの株を保有している方やこれから投資の機会を探っている方に。
>>【トランプ関税で株高シナリオも!!】ベトナム鉄鋼株が持つ投資妙味を考察

100円から買えるベトナム株インデックスファンドで間接的にホアファットグループへ投資も可能!!

  • 「ホアファットグループに興味はあるけど、個別株で買うほどじゃない」
  • 「少額から間接的にベトナム株への投資を始めたい」

という方には昨年(2024年)に登場した日本初のベトナム株🇻🇳インデックスファンドiFreeNEXT ベトナム株インデックス」を買うことでホアファットグループへ間接的に投資ができます。

「iFreeNEXT ベトナム株インデックス」は投資信託なので100円から売買可能。加えて新NISA成長投資枠でも投資にも対応。

2025年1月末に出ていたファンドレポートをみてみるとHPGは全体の4.2%の組入割合となっていました。

✅️iFreeNEXT ベトナム株インデックスの詳細は別記事で解説してます
>>iFreeNEXTベトナム株インデックスの口コミと特徴を徹底調査してみた!!

まとめ:2025年にホアファットは現金配当も出す公算。中長期投資の選択肢に

ホアファットグループ 配当予想 展望

ベトナムを代表する鉄鋼メーカーのホアファットグループの概要や配当実績、今後の展望を解説しました。

2025年はここ数年は出していなかった現金配当も出る見込みになっています。

鉄鋼株はベトナム国内の不動産市場のほかに国際的な動向も他セクター以上に気に留める必要もあると感じていたので、これまでは投資の選択肢にしづらいなーと筆者は考えていました。

HPGはベトナム株式市場で時価総額7位の大型銘柄!!

↑↑上記はベトナム金融情報サイトVietstockから抜粋した2025年3月上旬時点でベトナム株式市場で時価総額(Market Cap)の高い上位10銘柄のランキング。

HPGは時価総額で7位にランクインしています。ベトナム株式市場に上場する製造業関連の銘柄としてホアファットは時価総額トップです。

これから短期で株価がググっと伸びていくことはホアファットの企業規模や業界の展望が不透明な部分があるなどから考えづらいと筆者は思っていますが、3年先、5年先を見据えた中長期投資の選択肢としてはわりとアリかと思ってます。

2025年に入りベトナム鉄鋼業界に追い風となる材料も出てきたことで今後の動向が楽しみです!!

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この記事が参考になれば幸いです。最後までお読み頂きありがとうございます!!

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