【上場廃止の危機】ベトナム航空の現状と今後の行方を徹底解説
ベトナム航空株が気になってる人 「ベトナム航空🛫に投資するのってアリ??経営状況がヤバいって聞いたけど本当のところどうなのかおしえて!!」
こんな疑問に答えます。(記事更新日:2023年12月24日)
ベトナム株の情報を探そうと思っても中々、その企業のことをサクッと知れる情報少ないですよね。
そこで、今回はベトナム航空を解説します。
「ベトナム航空」🛫はベトナムを代表する航空会社でしたが、コロナ以後は経営難で上場廃止の危機に陥っています。
また近年はLCC(格安航空)でベトナム初の民間航空会社ベトジェットの台頭もあり、業績は低迷しています。
この記事を読むと、
- 経営難に陥るベトナム航空の現状
- ベトナム航空の株価や配当の推移💹
- 今後のベトナム航空株の行方、上場廃止の危機から脱出できるのか
がわかります。
【ベトナム株】ベトナム航空の概要
社名 | ベトナム航空 |
ティッカーコード | HVN |
主な事業内容 | 旅客運送、貨物運送、機内販売。 |
会社HP(英語表記あり) | https://www.vietnamairlines.com/vn/en/home |
抑えておきたいプチ情報 | 競合するLCCのベトジェットは2017年に株式上場。ベトジェットの銘柄コードはVJC |
日本の証券会社での取り扱い有無 |
・SBI証券:❌・アイザワ証券:◯ |
ベトナム航空は国営の航空会社。
ベトナム株式市場には2017年にUPCOM(未上場株)市場に上場→2019年にホーチミン証券取引所に上場しています。
2016年にANAがベトナム航空に出資
(参考:2016年当時のニュース)
また、2016年にANAがベトナム航空へ出資しベトナム航空株の約8.8%を取得。以後、日本とベトナムを結ぶ路線などでANAとベトナム航空は共同運航(コードシェア)を開始。
ANAのマイレージクラブ会員はベトナム航空とのシェア便でもマイルが貯められたり、マイル特典でベトナム航空のフライトに乗ることも可能になっています。
ANAとの提携もプラスとなり2019年頃までベトナム航空の業績は好調でしたが2020年のコロナ流行以来、業績が悪化し経営難に陥っています。
そうした理由もありSBI証券ではベトナム航空株の売買は不可(取り扱いなし)でした。(参考>>SBI 証券 ベトナム株式取扱銘柄一覧)
【上場廃止も】ベトナム航空の経営状況
(※業績の出所:ベトナム金融情報サイト「Vietstock」)
上記は2019年〜2022年の4年間のベトナム航空の業績推移です。
コロナが流行した2020年はベトナム政府の政策によって厳しい移動制限がかかったため仕方のない側面もありますが、営業利益 (Operating profit)は2020年からマイナスとなり3年連続で営業赤字を記録、経営難に陥っています。
ベトナム航空は3年連続で損失が拡大し上場廃止の危機に
Tại Đại hội cổ đông thường niên năm 2023 của Vietnam Airlines vào sáng 16/12, ông Hiền khẳng định, tình huống bị âm vốn chủ sở hữu, lỗ lũy kế 03 năm liên tiếp và có nguy cơ bị hủy niêm yết cổ phiếu của Vietnam Airlines là rất đặc biệt.(引用元のニュース記事)
2023年12月に開催された株主総会で同社は3年連続で累積損失が発生していて、上場廃止の危機にあることを断言しています。
また、8兆ドン(約470億円)の延滞債務を抱えていることを明かしています。
平たく言うと、「借金の返済が遅れたペナルティーの金額だけで日本円で約470億円ある」ということになります。
今後は延滞債務の返済に努めると同時に資本増強のためさらなる株式や社債発行を検討するようです。
取引所から警告を課されている状況が続く
また、ベトナム航空は今年(2023年)7月にホーチミン証券取引所から警告措置が出されています。
警告措置は赤字が続いている企業に出されることが多い措置です。
また7月から取引時間が制限されており、2023年12月時点でもベトナム航空の株式は午後(後場)のみできる状況。
上場廃止となる可能性が年々高まっています。
✅取引所が警告を発する銘柄の探し方などは別記事で解説しています >>ベトナム株投資で避けるべき「警告、監視措置銘柄」の確認方法
ベトナム航空の株価推移
(株価チャート出所:Trading View)←ここから最新の株価を確認
ベトナム航空のここ約5年間の株価推移をみると、2022年以降に株価が急落しています。
2023年12月中旬の株価は1株11,000vnd付近を推移しており、2021年〜2022年頃に1株22000~26000vnd前後を推移していたのと比べると株価は半減となっています。
先述したように業績悪化などで上場廃止の警告が出てきたことが株価急落の大きな要因です。
ベトナム航空の配当実績(株主優待はなし)
確定日 | 比率 | 配当額(1株当たり) | 分配年度 |
2019年6月3日 | 10% | 1,000 vnd | 2018年度分の分配 |
2018年6月1日 | 8% | 800 vnd | 2017年度分の分配 |
2017年9月1日 | 6% | 600 vnd | 2016年度分の分配 |
(※配当実績の出所:ベトナム金融情報サイト「Vietstock」)
上記グラフはベトナム航空の配当実績です。
ご覧のように直近で最後の配当を出したのが2019年です。コロナが発生した2020年以降、業績が大幅に悪化し配当を出せる経営状況ではなくなっています。
また、ベトナム株では日本株のような株主優待の制度は現状ありません。
日本のANAなどの航空会社のように株主優待の恩恵を継続して受けるために長期保有するというようなインセンティブはないことにも留意が必要です。
ベトナム航空の今後の見通し
2024年以降、ベトナム航空は
- 航空市場の回復
- キャッシュフローの改善
によって上場廃止の危機を乗り越えることが期待されています。
ベトナム民間航空局(CAAV)によると、2023年の航空旅客数は前年比34.5%増の約7,400万人に達する見込みで、コロナ流行前の水準にほぼ回復(引用元:Yahooニュース)
今年(2023年)のベトナムでの航空旅客数はコロナ前9割の水準に戻ってきており、2024年の旅客数は市場の回復がさらに進み旅客需要が戻ってくることが見通されています。
そうした環境の中でベトナム航空も業績の回復、キャッシュフローの改善が進むことが見込まれます。
LCCベトジェットの台頭でベトナム航空は苦戦が続く可能性も
ベトナムの空、勢力図に異変 LCCのベトジェット首位にhttps://t.co/9OS48XP5qS
— 日経電子版 国際 (@nikkei_intl) December 22, 2023
ただここ数年、ベトナムの航空業界は格安航空(LCC)のベトジェットが路線を伸ばしており今年(2023年)の旅客数ではベトナム航空を上回りシェア首位に登りつめる勢いです。
そうした環境下でベトナム航空の旅客数が2024年以降に大幅に伸びていくことは考えづらく、
- 累積債務の支払いが思うように進まずキャッシュフローが改善しない。
- 4年連続の赤字決算に陥る
といった可能性も否定できません。
最悪の場合、上場廃止や倒産の危機に陥りベトナム政府が救済に乗り出すといった事態も想定しておく必要があります。
まとめ(上場廃止の可能性が高まるベトナム航空への長期投資は危険)
上場廃止の危機に陥っているベトナム航空の現状を解説しました。
2023年12月時点でベトナム航空株の取引は午後の取引時間のみに制限されています。
また、取引所も警告を出している状況で投資に踏み切るのは危険性が伴います。
ベトナム航空株は市場の回復とともに企業として再浮上していく見通しがみえてきてから検討するのが賢明です。
短期で株価高騰が狙える局面はあるかも
画像の出所:VIET-KABU
ただここ最近では2022年の11月中旬に株価が急落後、中国路線の運行再開のニュースがきっかけとなり1ヶ月で株価が急回復して+87%上昇ということがありました。
低迷する株だからこそ、短期で株価高騰する局面がまた来ることもあり得るでしょう。そうした局面を狙った短期トレードを虎視眈々と狙うのはアリですね。
最後までお読み頂きありがとうございます。
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