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【ベトナム株】サオタ食品を徹底解説【日本向けエビ輸出が強み】

ベトナム株&新興国投資 投資のヒント

ベトナム株の投資先を探している人 「サオタ食品って会社をベトナム株の中でたまに耳にします。どんな企業なのかおしえて!!」

こんな疑問に答えます。(記事更新日:2023年11月26日)

ベトナム株で投資先を探そうと思っても中々、その企業のことをサクッと知れる情報少ないですよね。

そこで、今回はベトナム株でそこそこ知られているエビ🍤輸出を手かげるサオタ食品(FMC)を解説します。

この記事を最後まで読むと、

  • 【ベトナム株】サオタ食品がどんな会社か
  • サオタ食品の業績、株価推移💹と配当実績
  • サオタ食品が手かげるエビ輸出事業の強みと懸念点
  • サオタ食品の今後の見通し

がわかります。

【ベトナム株】サオタ食品の概要

社名 サオタ食品
ティッカーコード FMC
主な事業内容

水産物、主にエビの養殖、加工。日本向け水産物輸出に強み。

会社HP(英語表記あり) https://www.fimexvn.com/en/
抑えておきたいプチ情報

親会社は食品大手のパングループ(PANこちらもベトナム上場企業

日本の証券での取り扱い

 SBI証券:◯ ・アイザワ証券:◯

サオタ食品はホーチミン証券取引所に上場する水産業を手かげる企業。

水産物の養殖、加工が主力事業。主な製品は冷凍エビや生エビ、天ぷら用エビなどの加工製品です。

養殖、加工したエビを海外へ輸出しています。主な輸出先は欧州/日本/韓国/台湾/米国など。

2018年に食品大手でベトナム株市場に上場するパングループ(PAN)の子会社になっています。

サオタ食品の主力事業はエビの輸出

ベトナム株 サオタ食品 エビ

(画像の出所:サオタ食品HP

サオタ食品はベトナム南部メコンデルタ地方のソクチャン省に大規模なエビ養殖場とエビの加工工場を展開。

エビの養殖、加工のほかにもサツマイモやオクラ、ナスといった農産物の加工工場も展開していますが、売上の9割以上がエビの輸出事業です。

サオタ食品のエビの加工工場

ベトナム最大のエビの輸出企業の一つです。

サオタ食品のほかにエビ輸出を手がけるベトナム株としてはMPC(ミンフー水産グループ)が代表的な企業です。

【ベトナム株】サオタ食品の業績推移

サオタ食品 業績

(業績の出所:ベトナム金融情報サイト「Vietstock」)

上記は2019年〜2022年の4年間のサオタ食品の業績推移です。

ご覧のように売上高(Net revenue)は毎年10%以上の成長が続き、営業利益 (Operating profit)も年々増えています。

【ベトナム株】サオタ食品の株価推移

ベトナム株 サオタ食品 株価推移 

(チャート出所:Trading View)←ここから最新の株価を確認

上記グラフはここ10年ほどのサオタ食品の株価推移です。

2022年の春先から夏頃にかけてベトナム株市場の盛り上がりと、後述するEUとの貿易協定の発効のニュースなどがプラス材料となり高騰した後はやや落ち着きました。

2023年の年初(1月)と比べると11月上旬時点の株価は1株43700vndと年初来では約35%上昇しています。

【高配当ベトナム株】サオタ食品の配当実績

確定日 比率 配当額(1株当たり) 分配年度
2023年5月9日 20% 2,000 vnd 2022年度分の分配
2022年5月10日 20% 2,000 vnd 2021年度分の分配
2021年1月19日 20% 2,000 vnd 2020年度分の分配
2020年7月1日 10% 1,000 vnd 2019年度分の分配 2回目
2019年12月31日 15% 1,500 vnd 2019年度分の分配 1回目
2019年8月27日 20% 2,000 vnd 2018年度分の分配

(※配当実績の出所:ベトナム金融情報サイト「Vietstock」)

上記の表はサオタ食品の2019年以降の配当実績をまとめたものです。ご覧のように毎年1株当たり2,000 vnd以上の現金配当を出しています。

ここ2年間の配当支払いは5月に前年度の分配金をまとめて分配していました。

この記事を書いている2023年11月4日の株価終値が1株43700vndでした。利回りを算出すると2,000÷43,700=0.0457、配当利回りは約4.6%となります。

少なくとも毎年1回は一定額の配当金が出ているのは、長期投資家には嬉しいポイントですね。

✅配当利回りの高いベトナム株の調べ方やおすすめの高配当ベトナム株などは別記事で解説しています
>>高配当ベトナム株の調べ方とおすすめ銘柄3選

サオタ食品を始めとするベトナムのエビ産業の強みと弱み

サオタ食品のエビの養殖場

サオタ食品のエビの輸出先は日本や欧米などの求める品質基準が高い先進国が多いです。

後述しますが、特に消費者の求める品質レベルが高い日本市場向けが多くの割合を占めています。

2023年は米国や中国などの足元の景気動向が冷え込んでおり、エビの輸出需要が落ち着いていることがマイナスに働いていますが、今後エビの輸出需要が高まれば先進国向けのエビ輸出に実績を持つサオタ食品には追い風となることが予想できます。

日本市場向けのエビ輸出は参入障壁が高く、他国より優位性あり

Thị trường Nhật Bản chiếm 40% tổng thị phần xuất khẩu của Thực phẩm Sao Ta trong nửa đầu năm nay và thị trường này duy trì ổn định so với các thị trường khác trong nửa đầu năm 2023.(訳)今年上半期、日本市場はサオタ食品の総輸出市場シェアの40%を占め、この市場は2023年上半期においても他の市場と比べて安定を保った。(出所の記事はコチラ

そして、2023年上半期にサオタ食品が輸出したエビのうち約40%が日本市場向けになっています。

日本からの発注量は高止まりしており、サオタ食品の日本向けエビ輸出量は安定しています。

また、後述する欧米市場と異なり、日本市場では加工技術などの付加価値の高い商品を好むという消費者の特性もあってライバルとなる国が少ないのが現状です。

日本市場向けのエビ輸出で一定の参入障壁を築いているのがサオタ食品の強み、競争優位性となっています。

ビジネスエリートになるための投資家の思考法」では「トヨタ・テスラ・フェラーリ🚗」といった企業の例を挙げながら各企業の競争優位性や事業の経済性の見極め方などが解説されています。企業のビジネスをどのような視点でみていき分析すればよいのかを学びたい方向けの良書📚

欧米市場向けはインドやエクアドル等との競争が激しい

生エビはインドやエクアドルとの競争が激しい

Trong khi đó, xuất khẩu tôm của Thực phẩm Sao Ta nói riêng, ngành tôm Việt Nam sang thị trường Mỹ và châu Âu vẫn đang chịu sức ép cạnh tranh mạnh từ Ecuador và Ấn Độ – những nước có giá tôm thấp hơn Việt Nam.サオタフーズ社のエビ輸出と、米国および欧州市場へのベトナムのエビ産業は依然として、ベトナムよりもエビの価格が安いエクアドルやインドからの強い競争圧力にさらされている。(出所の記事はコチラ

一方で米国やヨーロッパへのエビ輸出では、ベトナムよりもエビの価格が安いエクアドル、インドといった国々との激しい競争下にあるようです。

欧米市場向けのエビ輸出では日本市場向けでは強みとなっている加工技術や付加価値があまり評価されていないのもサオタ食品を始めとするベトナムのエビ産業にはマイナスとなっています。

ただ、欧米市場は市場規模が大きく、エクアドルやインドといったエビ輸出を手がけるベトナムの競合となる国々のみでは需要をまかなうことはできず、今後もベトナムからの輸出が増加していく見込みです。

また、ベトナムは欧州と「EVFTA」という関税免除の協定を結んでいます。(※2022年8月から発効)関税引き下げが追い風となり欧州向けエビ輸出は今後も増えていく可能性が高いと考えられます。

✅サオタ食品と比較対象として注目したい世界46カ国にパンガシウスを輸出するベトナム水産株「ビンホアン水産」については別記事で解説しています
>>【ベトナム株】ビンホアン水産の投資妙味【水産物輸出のトップ企業】

まとめ(サオタ食品は輸出銘柄:生産量増→利益率改善&輸出増での成長に期待)

ベトナム株 サオタ食品 エビ輸出

ベトナム株で数少ない水産企業で日本向けエビ輸出に強みを持つサオタ食品を解説しました。

2022年に発効されたEVFTA(ベトナムと欧州の関税協定)を始め世界各国と関税撤廃が進むなかでベトナムの輸出関連株には追い風が吹いています。

サオタ食品の競合企業としてはベトナムのみならず、インドなど周辺国のエビ輸出企業も競合となるのが懸念点です。

ただ、今後も世界の人口増→エビの需要増→中長期での成長が高い確度で見込まれるのではと思います。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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