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ベトナム株で人気!「ビナミルク」の現状と今後の見通しを解説

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この記事では、ベトナム株の中では知名度や時価総額が高く日本から投資している方も多い印象がある乳業大手のビナミルクについて解説しています。。

  • ビナミルクってどんな会社?
  • 今後のビナミルク株のプラス材料は?

といった疑問に答えます。気になる方は続きをどうぞ!

この記事は筆者の持株のメモが主目的で当該銘柄への投資を推奨するものではありません。

日本株であれベトナム株であれ個別株への投資では思考力を磨き自分のアタマで考えることが最も大切だと思っています😌

ベトナム在住者ならおなじみのビナミルク

ビナミルク(銘柄コード:VNM)は、ベトナム最大手の食品、乳製品メーカーです。ベトナム国内の乳製品市場の約4割を握っています。

ビナミルクの製品

出所:ビナミルク公式HP

牛乳やヨーグルトが主力商品です。ほかに粉ミルクや豆乳、チーズ、アイス、清涼飲料、栄養食品まで商品ラインアップは多岐にわたります。

イギリスのブランドコンサルティング会社が発表した世界の食品・飲料事業者のブランド力ランキングでもビナミルクは東南アジアで唯一、乳業部門で2021年は8位にランクインしており、ベトナムを代表する食品メーカーと言えます。

ここ数年の株価推移

ビナミルク 5年チャートチャート出所:Trading View

そんなビナミルクですが、ここ数年は株価が低迷しています。上記は2017年以降のここ5年間の株価推移です。ここ5年では2018年3月に149,000と15万ドン目前に達したのが最高値で、それ以後は下落傾向になっています。

株価低迷の一因は原材料高

低迷 イメージ

ベトナムの株式市場全体がここ数年伸びている中で、ビナミルク株が思ったほど伸びていないことの一因は原材料費の高騰やコロナによる需要低迷があります。

牛乳の原料となる粉乳が前年比で2~3割、また砂糖価格や動物飼料も前年比で高くなっています。ちなみにビナミルクの牛乳は砂糖ありと砂糖なしの両方売られているのですが、ベトナムでは砂糖ありを好む人が大半です。

※ベトナム国内の砂糖価格上昇はタイ産の砂糖への課税強化も一因です。ベトナム国内の製糖銘柄に追い風が吹いていることは2021年の年初にくわしく解説してました。

ただ、配当が株価を下支えしてる

支え イメージ

現在のビナミルク株の株価は低迷していると言えるかと思いますが、一方で定期的な現金配当の実施が株価を下支えしている側面もあります。

下記の表は2019年度以降のビナミルクの配当実績です。表に記載したのはここ3年の実績ですが、それ以前から年間3回の配当を継続的に実施しています。

支払い時期(該当期の利益シェア) 配当額 (vnd) 備考
19年9月 (19年度1回目) 2,000
20年2月   (19年度2回目) 1,000
20年7月   (19年度3回目) 1,500
20年10月 (20年度1回目) 2,000 20%(5:1の株式配当も実施)
21年2月  (20年度2回目) 1,000
21年6月  (20年度3回目) 1,100
21年9月  (21年度1回目) 1,500
22年2月 (21年度2回目) 1,400
22年8月 (21年度3回目&22年度1回目) 2,450 7/7権利落ち→8/19支払い予定

 

2019年度は年間で1株あたり4,500 vnd、20年度は4,100 vndに加え株式配当がありました。

📢 (2022年6月更新) 次回の配当は2022年8月で、当初の1,500vndから増額→昨年の3回目と今年の1回目の利益を分配する計画に変更されています。

今後も継続的な配当が続くことを前提とすると、株価が下がるほど配当利回りは高くなります。そのため、財務の安定性も考慮すると筆者は余程のことがない限り、株価の大幅な下落は起こりにくいかなと思っています。

ビナミルク株の最新の株価はコチラ

※なお、個別株の配当予定などを確認するのに便利な金融情報サイト「Vietstock」の活用法は下記の記事で解説しています>>「Vietstock」活用ガイド

直近の業績は良好、成長を取り戻しつつある

VNM 四半期の業績

業績出所:Vietstock

2021年7~9月の第三四半期の業績は売上高が16兆ドンを超えており、四半期ベースの売上高としては過去最高の数字を記録しています。また、今年の1~9月の累計9ヶ月で年間の利益目標の75%を達成しています。ほぼ計画通りの収益が出ており、業績は悪くないです。

ただ、現状のベトナム株市場では期待以上の業績になった銘柄が多く出ているため、相対的にビナミルク株の人気が下がっているということなのではと思っています🤔

今後のプラス材料

成長 イメージ

直近の業績は良好なことを先述してきましたが、今後のプラス材料として①M&Aでの売上拡大②海外事業の収益増加の2つが挙げられます。それぞれ解説します。

①ベトナム北部のブランド(MCM)との相乗効果に期待

MCMの商品

MOC CHAUミルクHPより

ビナミルクは2019年に北部の乳業ブランドの「モクチャウミルク」を傘下に入れています。モクチャウミルク(MCM)は、ベトナム北部に酪農場を多く所有する、高品質を売りにした乳業ブランドです。

筆者の住む南部ホーチミンでは店頭で商品をみたことはないのですが、北部中心にシェアがあります。MCMは去年(2020年12月頃)、UPCOM市場に上場しています。

ハノイでは店頭でみかけるみたいです。2019年にビナミルクが管理権を引き継いでから2年が経過し、徐々にコスト削減や市場開発といった所で経営にプラスの効果が出始めています。今後より相乗効果が出てくることが期待されます。

②フィリピンでの合弁事業

フィリピンでの合弁事業

「デルモンテフィリピン」というフィリピンの大手食品会社と組み、2021年9月からフィリピン国内で事業をスタートしています。

牛乳/ヨーグルト/飲むヨーグルト等の主力商品をスーパーやShopee,Lazadaといった大手ECで販売しています。デルモンテフィリピン社が持つフィリピン全土の販売網を生かし約10万店でビナミルク製品が販売される見通しで、今後の成長が期待されます。

フィリピンの乳製品市場で10%のシェア獲得を目指し、初年度の収益は900万米ドル(約10億2千万円)を見込み、2年目以降は年間50%の収益成長を目論んでいます。

ビナミルクの海外事業はこれまでに米国、ポーランド、カンボジア、ラオスの4カ国で展開し全体の売上、粗利益の15%程度を占めていましたが、経済成長の続くフィリピン市場進出でのプラスアルファが大きく見込めるのではないかと思います🤔

(ベトナム語の参考ニュース記事はコチラ)

③双日との食肉事業

ビナミルクは日本の総合商社の双日と提携し、2023年から肉牛生産に乗り出す計画を立てています。ベトナム国内の経済成長で増えている中間所得層をターゲットにしているようです。乳製品の販売が中心の事業モデルからの多角化を進めています。

まとめ

今後さらなる規模や売上拡大、海外進出とポジティブな材料がある一方で原材料費の高騰などネガティブな材料が今後どのぐらい続くのかなど、ビナミルクの今後の成長はさまざまな要素をどう判断するのかによって見方が分かれるのかなと思います。

わたし自身は2019年にベトナム株投資を始めた頃にビナミルク株を500株だけ購入したまま持ち続けています。時々配当をもらえていますが含み損になっています😅

VNM 含み損

記事を書いた当初(2021年11月中旬)現在で、日本円で2万円弱の含み損です💦

おまけ

ホーチミンでは10月から店内飲食が復活し、徐々に経済活動が再開しつつあります。8月末~9月上旬に買い物も禁止されるなど厳格な外出制限があった時期に比べれば人々の気持ちも前向きになってきている実感があります。

コンデンスミルク

外出禁止の9月頃に軍からコメなど食料が配給されたときこのコンデンスミルクもらいました。日本ほど牛乳を日常で飲む習慣がなく、年中暑い南部ではコンデンスミルクが一番身近なビナミルク製品かもです。

インスタントコーヒーに少し足すとほどよい甘さになります。足しすぎると甘々なコーヒーになります(笑) ベトナムの路上で売られているコーヒーはこれがほぼほぼ入ってます!機会があればぜひ試してみてください。

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最後までお読みいただきありがとうございました。ではでは!