【ベトナム株】ビンホアン水産の投資妙味【水産物輸出のトップ企業】
ベトナム株の投資先を探している人 「ビンホアン水産って銘柄、ベトナム株でちょくちょく耳にします。どんな会社なのかや投資妙味があるかおしえて!!」
こんな疑問に答えます。(記事更新日:2023年11月26日)
ベトナム株で投資先を探そうと思っても中々、その企業のことをサクッと知れる情報少ないですよね。
そこで、今回はベトナム株で耳にする機会も多い「ビンホアン水産(VHC)」を解説します。
「ビンホアン水産」🐟は世界46カ国に水産物を輸出する、食品輸出ではベトナム有数の企業。
今後も中長期での成長が期待される企業です。
この記事を最後まで読むと、
- 【ベトナム株】ビンホアン水産がどんな会社か
- ビンホアン水産の業績、株価推移💹とこれまでの配当実績
- ビンホアン水産の今後の見通し
- 【ベトナム株】水産株は「ビンホアン水産」と「サオタ食品」どちらがよいのか
がわかります。
【ベトナム株】ビンホアン水産の概要
社名 | ビンホアン水産 |
ティッカーコード | VHC |
主な事業内容 | メコン川原産のチャ魚(パンガシウス)という淡水魚をはじめとした水産物の養殖、加工、販売。 |
会社HP(英語表記あり) | https://www.vinhhoan.com/ |
抑えておきたいプチ情報 | 競合他社のベトナム株はANV(ナムベト水産)やIDI(国際投資開発)など。 |
日本の証券会社での取り扱い有無 |
・SBI証券:◯ ・アイザワ証券:◯ |
ビンホアン水産は今から約25年前の1997年にベトナム南部のメコン川下流域にあるドンタップ省で創業。(ドンタップ省はホーチミンから車で3時間ほど)
同社は「パンガシウス」と呼ばれるナマズの仲間の淡水魚の養殖→加工→販売を手がけています。
(画像の出所:同社HP)
- ベトナム国内に6つの加工工場
- 従業員数は1万人以上
- 世界46カ国に加工したパンガシウスを輸出
加工したパンガシウスを欧米や日本を含む世界46カ国へ輸出するベトナムから水産物輸出を手がけるトップ企業のひとつです。
ビンホアン水産が輸出する「パンガシウス」は世界で消費拡大が進む
パンガシウスは東南アジアで養殖されている淡水魚です。
現地では「バサ」やネコみたいにヒゲが長いので「キャットフィッシュ」などとも呼ばれています。
欧米では1990年代以降、乱獲によって漁獲量が急激に落ち込み食卓から消えるほどになった「タラ」に代わる代用食材として「パンガシウス」の消費量が増えています。
日本でもイオンやコストコなどを中心に販売が増えている
ベトナム産パンガシウスは日本🇯🇵にも輸出されており、イオンやコストコなどで販売されています。
見るたびに買ってみたくなる「パンガシウス」の切り身(ベトナム産)
100グラム92円
全くどんな魚か見当がつかないけど、買う未来しか見えない😅 pic.twitter.com/R5nhy0CAXL— アレックスとつぶ (@AlexTsubu) June 1, 2022
ぼっち夕飯出来ました( ´ω` )/
ベトナム産パンガシウスってお魚をムニエルにしました~。白身のさっぱりしたお魚でハーブソルトがよく合います!#おうちごはん pic.twitter.com/9RPvie0wEY— ちびまさこちゃん (@80kumamasa08) December 19, 2019
どんな料理にも合う淡白な味や手頃な値段、すぐに料理できるように骨が抜かれ加工された形で提供されたことなど、消費者に受け入れられた要因はいくつかある。ただ、その中でいちばん大きいのは流通最大手のイオングループがSDGsの流れの中でパンガシウスを積極的に拡販してきたことだろう。(引用元:日経BP 謎の白身魚「パンガシウス」が売れる理由)
- 手頃な値段
- 骨なしに加工されているので調理しやすく食べやすい
- 資源保護や環境に配慮した認証を受けた商品が流通
といった理由で日本でも消費者に受け入れられており、輸入量が年々増えています。
最近の物価高で消費者の財布の紐が固くなりがちな状況ですが、パンガシウス販売にとっては追い風になりそうです。
✅ビンホアン水産がどんな企業がざっくり分かった所で、次の見出し以降で業績や株価推移、今後の見通しなどを解説していきます。
ビンホアン水産の業績推移
(業績の出所:ベトナム金融情報サイト「Vietstock」)
上記は2019年〜2022年の4年間のビンホアン水産の業績推移です。
先述したようにビンホアン水産は水産物の輸出が主力事業のため、コロナショックが起きた2020年は売上高(Net revenue)、営業利益 (Operating profit)とも業績を落としていますがその後は右肩上がりで業績を伸ばしています。
ビンホアン水産の株価推移(短期では値動き荒い)
(チャート出所:Trading View)←ここから最新の株価を確認
上記チャートはここ約10年のビンホアン水産の株価推移です。
ベトナム株は全体的に日米株などの先進国株と比べると流動性が低く、値動きが荒い傾向がありますがビンホアン水産も短期では株価の値動きが荒くなっています。
2023年11月下旬時点の株価は1株69,500vndと7万ドン弱ですが、2020年3月のコロナショックが起こった際に株価が2万vnd付近まで下落したのと比べると、そこから3倍以上株価が上がっています。
ビンホアン水産の配当実績(年1回は配当あり)
確定日 | 比率 | 配当額(1株当たり) | 分配年度 |
2022年10月22日 | 20% | 2,000 vnd | 2022年度分の分配 |
2021年12月22日 | 20% | 2,000 vnd | 2021年度分の分配 |
2020年10月8日 | 20% | 2,000 vnd | 2020年度分の分配 |
2019年12月31日 | 100% | 株式配当 | 2019年度分の分配 |
2019年5月20日 | 20% | 2,000 vnd | 2018年度分の分配2回目 |
2018年12月10日 | 20% | 2,000 vnd | 2018年度分の分配1回目 |
(※配当実績の出所:ベトナム金融情報サイト「Vietstock」)
ビンホアン水産は毎年、定期的に配当を出しています。
上記は2018年後以降の配当実績をまとめた表です。2020年〜2022年の3年間は毎年1株あたり2000vndの現金配当を出しています。2023年の配当計画は本記事を書いている11月下旬時点では発表されていません。
- 2019年は株主に対し100%=1対1の新株発行(つまり1000株の保有株主なら新たに1000株発行)を実施。
- 2018年度は年間2回、現金配当を実施
などと手厚い配当を出した過去も。
2023年も過去3年と同じく1株あたり2000vndの配当を出すと想定すると配当利回りは約2.9%となります。(2023年11月23日時点の終値69,500vndで計算)
ベトナム株の中では配当利回りが高い銘柄とは言えませんが、「今後の事業拡大が期待でき配当も得られる成長株」として投資対象になり得る企業かと思います。
✅配当利回りの高いベトナム株の調べ方やおすすめの高配当ベトナム株などは別記事で解説しています >>【ベトナム株】高配当株の罠と仕込みたい銘柄4選
ビンホアン水産の短期的な見通し
(グラフの出所:Mekong ASEAN)
上のグラフは2023年8月〜10月の3ヶ月のビンホアン水産の地域別の収益を表したものです。
緑=米国、茶色=中国、青=欧州、黄色=ベトナム国内、紫=その他の国々の収益を表しています。
グラフの変化をみると8月は米国向けの収益が最も多かったものの、9月、10月は米国向け収益が下がり10月の収益トップはベトナム国内となっています。
欧米向け輸出の増加と販売価格上昇が収益改善のカギに
ベトナム北部と国境を接する中国市場はベトナム最大のパンガシウス輸出市場となっていますが、価格に敏感なため利益率が低い傾向にあります。
一方で欧米市場は中国やその他の日本などのアジアの国々よりも平均販売価格、粗利益率ともに高い傾向にあるため欧米市場への輸出量増加が収益増加のカギを握っています。
2023年後半に入り米国では消費減速が表面化してきていますが、2024年以降、欧米市場向けの輸出量が増やせるかが収益成長のカギを握っています。
【水産業で代表的なベトナム株】ビンホアン水産とサオタ食品を比較
ベトナムで水産物輸出で長年トップなのがエビ🍤です。そのエビ輸出を手がけるベトナム株が「サオタ食品」です。
一方で「パンガシウス」は養殖の拡大とともに輸出量が増え水産物輸出でエビに次ぐ2位となっています。(2023年時点)
エビ輸出を手がける企業は「サオタ食品」をはじめとするベトナム企業のみならず、周辺国やインド企業なども欧米などへ輸出をしている一方、パンガシウスはタイやベトナムなどの東南アジアのみで養殖されている魚です。
またエビ輸出を手がける「サオタ食品」は高配当銘柄として知られており、近年も継続的に高い配当を出しています。
一方「ビンホアン水産」はサオタ食品に比べ配当利回りは低く、パンガシウス輸出のほかに※コラーゲンなどの副産物を利用した事業を育てるなどの積極的な事業投資を行っています。
そうした理由からビンホアン水産は配当目当てではなく、成長株としてみた方がよいと筆者は考えています。
結論としては、
- 高配当株投資がしたいなら「サオタ食品」
- 成長株投資がしたいなら「ビンホアン水産」
をベトナム株投資の選択肢として検討するのがよいでしょう。
✅エビ🍤輸出が主力事業のベトナム株「サオタ食品」については別記事で紹介してます>>【ベトナム株】サオタ食品を徹底解説【日本向けエビ輸出が強み】
新著「シンFIRE論」が話題の三菱サラリーマンさんもサオタ食品とビンホアン水産を保有
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まとめ(ビンホアン水産は世界で消費が増える「パンガシウス」の輸出トップ企業)
世界中で消費量が増えている手頃な値段で淡白な味が楽しめる「パンガシウス」の養殖/加工~販売までを手がけるベトナム株「ビンホアン水産」を解説しました。
今後もパンガシウスは欧米市場や日本や中国などのアジアなど魚を食べる文化のある世界中への輸出が増えていくことが見込め、ビンホアン水産はその中でも注目に値する企業です。
現状、短期投資では株価の値動きが荒い危険性の高い銘柄ですが、中長期で成長株を探している方にとっては投資先の候補になり得るかと思います。
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