【配車アプリGrab】今後の株価やビジネスの行方と投資妙味を解説

急成長企業に興味がある人 「東南アジアで人気の配車アプリGrab🚗の株式が気になる。Grabの現状や今後の見通しをおしえて!」
こんな疑問に答えます。(記事更新日:2023年12月6日)
東南アジアを中心に普及する配車アプリ、ライドシェアの王者「Grab」(グラブ)🚕を知っていますか?
ソフトバンクグループが出資していたり、2021年に米国ナスダック市場に上場してからは日本でも株式投資目線で注目している方も多いですよね。
そこで、この記事ではGrabのこれまでの歩みから今後のビジネスの行方までを1記事に詰め込みました。

この記事を読むと、
- 東南アジアで圧倒的シェアを持つ配車アプリGrab🚗のこれまでの歴史
- 2021年に米国ナスダック市場💹に上場して以来のGrabの株価や業績の推移
- 今後のGrabのビジネス戦略
- 今からGrab株へ投資するのはアリなのか
- Grab株の情報収集や取引に活用できる証券会社
がわかります!
Grabは東南アジアでの配車アプリ王者

グラブは2011年にマレーシアで設立された東南アジアのスタートアップ企業です。
社名 | Grab Holdings(グラブホールディングス) |
設立 | 2011年 |
本社所在地 | シンガポール |
主な事業内容 | 東南アジア地域でのライドシェア🚗、デリバリー🍔、デジタル金融サービス🏦など |
米ナスダック上場 | 2021年12月 |
公式サイト(英文) | https://www.grab.com/sg/ |
Grabの歩み(設立から十数年で急成長)

(↑↑Grabのこれまでの歩み※筆者作成。)
- 2012年:マレーシア🇲🇾で配車アプリ、ライドシェア事業をスタート
- 2013年:「Grab Taxi」🚕という名称でライドシェア事業をフィリピン、シンガポール、タイでも開始。
- 2014年:インドネシア🇮🇩とベトナム🇻🇳へも進出
- 2018年:ライドシェアで先行していた米🇺🇸Uberの東南アジア事業を買収
- 2021年(設立から10年):米ナスダックへ上場💹
Grabは設立当初はマレーシアに拠点を置き事業をスタートしましたが、2年後には東南アジアの周辺国へ事業を拡大、2014年には本社をマレーシアからシンガポールに移し東南アジア各国へのビジネス展開を強化します。
その後、2018年には東南アジアのライドシェア市場で先行していた米Uberの東南アジア事業(カンボジア・インドネシア・マレーシア・ミャンマー・フィリピン・シンガポール・タイ・ベトナム)を買収することを発表。
Uberの買収後にはライドシェアのみならず、フードデリバリー事業も本格化。
激しいシェア争いをしてきた競合企業のウーバーの東南アジア事業を買収したことでGrabはアセアン各国で圧倒的なシェアを確保し2023年現在でも東南アジア地域での配車アプリ王者となっています。
これまでソフトバンクやトヨタがGrabへ巨額出資

シンガポール拠点の配車アプリ会社、Grab。2014年12月にソフトバンクグループが2億5000万ドル(約300億円)を出資し、大株主になったことで日本でも一躍その名を知られるように(引用元:東洋経済オンライン)
そんな東南アジアのスタートアップ企業であったGrabには日本のソフトバンクグループが早くから目を付け、Grab創業から3年後の2014年に巨額の出資をしています。
ソフトバンクグループのほかにはトヨタや韓国のヒュンダイ自動車、中国で配車サービスを手がけるディディといった名だたる企業がGrabに早くから注目し投資していました。

(⬆️Grab株の大口株主の出所:米NASDAQ公式)
2023年6月末時点でもソフトバンクグループのGrab株への出資比率は大口株主の中で1位です。
また日本企業では三菱UFJフィナンシャルグループもGrabへ巨額投資をしています。
2021年にGrabは米国ナスダック市場に株式上場

会社の設立から10年後の2021年にGrabは米ナスダックに上場しています。
当初はタクシー予約アプリとして始まったGrabがわずか10年で配車サービス(ライドシェア)やフードデリバリー、金融サービスへと事業の幅を広げ、東南アジアの400以上の都市で事業展開するまでの成長を遂げたことが評価され、上場までたどり着きました。
Grabの魅力の一つは東南アジア各国を行き来しても同じアプリでそのままサービスが使えることも利便性を高めています。
加えて、
- バイク移動が一般的なベトナム🇻🇳ではバイクタクシー事業「Grab Bike」
- フィリピン🇵🇭の首都マニラでは高級車シェアライドサービスの「GrabCar+」
- カンボジア🇰🇭では現地で普及している三輪車(トゥクトゥク)が呼べる「GrabTukTuk」
といった各国の文化に溶け込む形で使いやすいサービス、アプリを展開したこともGrabの成功の一因です。
Grabをはじめとした東南アジアでデジタル経済を牽引する企業とそのビジネス戦略などは「」という本でも詳しく解説されていました。
✅ 次の見出し以降では、Grabのナスダック上場後の業績や株価推移などを紹介していきます。
Grabの売上、業績の変化

(⬆️業績推移の出所:米NASDAQ公式)
上記の表はGrabの2020年〜2022年の売上、業績の推移です。
2021年まではGrabは利用者を増やすために多額の販売促進費を使って東南アジア各国の市場での認知度やシェアを取りにいく戦略をとっていました。

Grab株はこれまで配当実績なし
Grab Holdings (NASDAQ: GRAB) does not pay a dividend. (引用元:WallStreetZen)
Grabは2021年のナスダック上場以来、株主へ配当金を出していません。
東南アジア各国でのライドシェア市場の競争は激しく、今後も事業投資に資金を投じて企業価値を上げていくことが望ましいと考えられます。
配当金を見込むのではなく、将来の成長を期待した成長株投資の選択肢としてGrab株をみるのが賢明です。
Grabのチャート、株価推移

(※最新の株価推移は右記リンクより確認可:Google Finance)
グラブの株価は2021年12月にナスダックに上場して初値13.06ドルを付けてから約1年ほどは高値で推移していました。
しかしその後、先述したように
- 巨額の広告投資によって黒字化が遠のいたこと
- 米Uberの東南アジア部門買収後に圧倒的なシェアを確保したものの、後述するゴジェックなどの競合が現れ再びライドシェアの市場競争が激化したこと
などの環境変化もあり、株価は低迷しています。
2023年に入ってからの株価は3ドル台での推移が続いています。
ナスダック上場株「Grab」の株価動向は無料の次世代投資アプリ「moomoo」が便利!

米国ナスダックに上場するGrabホールディングスの最新の株価動向やニュースなどは次世代の投資アプリ「moomoo」でサクッと確認できます。

上の図解⬆️は筆者のmoomooアプリ画面から引用して作成したものです。
- Grabを始めとした米国株のチャート、売買分析
- 四半期毎の決算や業績
- 関連する最新ニュース
などをサクッと確認できます。
✅「moomoo」アプリの使い方や始め方は別記事で解説しています >>【無料】「moomoo証券アプリ」の使い方と始め方を解説
Grabの強力ライバル「ゴジェック」とベトナム市場での新ライバル「ビンファスト」の登場でライドシェア市場は熾烈な競争が続く

Grabのライバルの配車アプリ「Gojek」のアプリ画面。筆者はGrabとGojek両方とも使ってます。
2018年にGrabが米Uberの東南アジア事業を買収したことで圧倒的なシェアを確保しGrabの事業が急成長を遂げたことを先述しましたが、その後にUberに代わる新しい強力なライバルが出てきています。
それがインドネシア🇮🇩で事業をスタートしたゴジェック(Gojek)です。
ゴジェックは2015年からGrabと同様に配車アプリのサービスを始めてからインドネシア市場を中心に事業を拡大→その後にベトナムなど周辺国にも進出しGrabの強力なライバルへと成長。
2021年にインドネシアのEC大手トコペディアと経営統合し社名を「Go To」に一新。
そして、GoToは2022年にインドネシアの証券取引所に上場、Grabに続く上場企業となっています。
【2023年最新】ライドシェア市場の競争が熾烈なベトナムではEVの配車アプリが登場
ここ数ヶ月でのベトナムの大きな変化はEVのタクシーとバイクタクシーを使うのが新しい日常になってきてること。配車アプリ大手のGrab含めライドシェアの競争ますます激化してる印象。来年は今より少し空気がきれいになる+騒音大きいガソリン車が減って静かになるって未来がきたらいいな #ベトナム経済 pic.twitter.com/r1LTVyerfj
— ひでさわ | ベトナム経済&株式 (@hidesawa0902) November 7, 2023
また、筆者が拠点を持つベトナム🇻🇳では今年(2023年)から、ベトナム地場のEVメーカー「ビンファスト」が自社のEV車やEVバイクを活用したライドシェア事業を始めています。
料金はGrabやGojekよりやや高いことが多いですが、価格よりも「EV車に乗ってみたいユーザー」や「静かで快適な乗り心地を重視するユーザー」が好んでEVタクシーを利用しています。
ベトナム市場に限らず東南アジア市場全体で今後もライドシェアの市場は熾烈な競争が続くことが予想され、圧倒的なシェアを確保していたGrabが他社との違いをどのように打ち出し、今後も勝ち残っていけるのかが成長のポイントになります。
✅ベトナム発の新興EVメーカー「ビンファスト」は以下の別記事で解説しています>>【米国上場】ベトナム新興EV「ビンファスト」の評判と今後の展望
【グラブホールディングスの将来性】今後の株価やGrabアプリの進化を考察

ここまでの解説でGrabが2021年頃までは販売促進、つまりユーザー数を増やすための認知度拡大を狙った広告やプロモーションに巨額の費用を使っていたことで、それが利益を圧迫し業績として赤字が続いていたことを先述しました。
ただ、2022年頃からGrabはそれまでのビジネスモデルからの脱却を図っています。
東南アジア配車最大手、シンガポールのグラブがサブスクリプション(定額課金)サービスの導入に乗りだした。多額の販売促進費で利用を促す従来モデルから脱却し、頻繁に利用する優良顧客を囲い込む戦略だ。(引用元:日経新聞「グラブ、黒字化へサブスク 配車・宅配で優良顧客確保」2022年10月5日)
2022年頃からGrabが新しく導入したのがサブスクプランです。

⬆️ベトナムでGrabが始めたサブスクサービス「Grab Unlimited」のプロモーション広告
サブスクプランは毎月、一定額の利用料を払えば通常の利用料よりお得になるサービスです。
例えばGrabのフードデリバリーのサブスクであれば「本来ならば注文毎にかかる送料がサブスク会員だと無料になる」といったサービスです。
サブスク会員が増えるほど、毎月、一定の利用回数が見込め固定客の獲得につながります。
新規顧客の獲得よりも既存顧客の利用回数を増やすことに戦略を変えることで、それまでのように巨額の広告費を使わなくなった結果、2021年までは年間の決算が赤字でしたが、2022年の年間決算は黒字になっています。
今後も魅力的なサービスを打ち出し、サブスク会員を増やせるかどうかが収益改善のカギを握っています。
配車アプリやデリバリー以外の新サービスの拡充「スーパーアプリ構想」も収益拡大のカギに

⬆️筆者が使うベトナム版Grabアプリの画面。配車やデリバリーに加えてサービス内容が毎年増えてます。
サブスク会員の獲得に加え、Grabはここ数年ライドシェアやフードデリバリー以外にもホテル予約や携帯料金のチャージ機能、保険の契約サービスなどをアプリ内で提供しています。
特に力を入れているのは「フィンテック」と言われる金融サービス事業です。
東南アジアでは銀行口座やクレジットカードを持たない人の割合が依然として高い中でクレカや銀行口座がなくても様々なサービスの支払いができるGrab独自の決済システム「GrabPay」を提供しています。

⬆️東南アジアの街なかでこうしたQRコードがあるお店ではGrab Payでのキャッシュレス決済ができます。日本でPay Payが普及しているのと同じイメージですね。
「Grab Pay」を使えばGrabアプリ内のデリバリーなどの決済はもちろん、提携する街なかの小売や飲食店、カフェなどでの決済もキャッシュレス決済ができます。
今後はこうした金融サービスやアプリ内で様々なサービス提供を増やしていくことで収益拡大が期待されます。
新戦略での収益改善、これまでの累積赤字を解消し実質黒字化の実現が株価回復のカギに
2021年頃までは多額の販売促進費を使っていたため赤字が続いていたGrabですが、今後は先述したようなビジネス戦略が上手くハマり、黒字化や収益拡大が実現すると株価の回復、再浮上は十分あり得そうと筆者は考えています。
こうした本📚↑↑で紹介されているような、現在は赤字だけれども近い将来に事業が伸び黒字転換する見込みが高い銘柄に投資する手法もありますよね。
そうした黒字転換株を探している方にとってはGrab株はリサーチしがいのある銘柄かも🤔しれません。
Grab株が買える証券会社(SBIや楽天証券じゃなく〇〇が手数料最安)
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | ウィブル証券 | |
Grab | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
米国ナスダックに上場するグラブホールディングスの株式はSBI/楽天/マネックスのいずれの大手ネット証券でも取引できます。

加えて、2023年に日本でのサービスを開始した「ウィブル証券」でもGrab株を買えます。
ウィブル証券はNISA口座での売買に対応していないのがデメリットですが、一般口座や特定口座で米国株を買うならウィブル証券での取引が手数料最安になります。
【12/29まで】Grab株も買える「ウィブル証券」は期間限定キャンペーン中

SBI証券や楽天証券より米国株手数料が安く、特定口座にも対応しているウィブル証券が期間限定キャンペーン中。
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✅ウィブル証券の詳細は以下の記事で解説中↓↓ >>【特定口座アリ】ウィブル証券12月キャンペーンで5000円当たるチャンス
まとめ(今後のGrab復活、株価回復に期待)

2011年にマレーシア🇲🇾で設立されてから東南アジアで驚異的な成長を遂げてきたライドシェア王者「Grab」のこれまでの歩みや今後のビジネスの行方を解説しました。
東南アジア各国ともまだまだ経済成長が続くことが見込まれ、ライドシェアやGrabが手がけるビジネスの市場拡大が続くことが予想されますが、巨大市場を狙って今後も熾烈な競争が続く可能性が高いと筆者は考えています。
そうした市場環境の中でGrab独自のサービスやユーザー確保の戦略の成否が今後のビジネスや株価再浮上のカギを握るのではないかと思います。
この記事が株式投資に限らず成長が続く東南アジアビジネスへの理解の一助になれば幸いです。
最後までお読み頂きありがとうございます。ではでは!
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