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【24年は配当なし】ビンホームズの株価予測と投資リスク【2024最新】

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ベトナム株の投資家 「自社株買いを発表したビンホームズ株の今後が気になる。今後の見通しをおしえて!!」

こんな疑問に答えます。(記事更新日:2024年9月2日)

ベトナム株で投資先を探そうと思っても中々、その企業のことをサクッと知れる情報が少ないですよね。

そこで、今回は8月上旬に自社株買いを発表し株価上昇が期待されるベトナム不動産の王者「ビンホームズ」🏘の今後の見通しやそもそもどんな企業なのかを1記事でざっくり解説。

自社株買い発表→「株価が伸びるにちがいないからビンホームズ株は買いだ!!」っていう安易な投資行動をとって大損…とならないよう、まずは企業や業界、ベトナム🇻🇳経済の理解を深めましょう。

この記事を最後まで読むと、

  • 【ベトナム上場株】ビンホームズ🏠がどんな企業か。
  • ビンホームズの業績や配当実績、株価の推移
  • 【2024年後半〜】ビンホームズ株のプラス材料と懸念点
  • ビンホームズ株の株価予測

がわかります!!

Table of Contents

ビンホームズはベトナム最大の不動産デベロッパー

ビンホームズ 
社名 ビンホームズ
ティッカーコード VHM
主な事業内容 不動産開発(マンション、住宅、賃貸オフィス)
会社HP(英語表記あり) https://vinhomes.vn/en
抑えておきたい情報 親会社はベトナム最大のコングロマリット(複合企業)のビングループ。ビングループは2024年現在、不動産(ビンホームズ)とEV(ビンファスト)事業に注力
日本の証券での取り扱い  SBI証券:◯ ・アイザワ証券:◯

ビンホームズは2008年に設立、2018年に株式市場に上場。ベトナム国内で住宅開発、不動産デベロッパーの最大手企業。

ビンホームズセントラルパーク

ビンホームズセントラルパーク

ホーチミンのランドマークとなっている「ビンホームズセントラルパーク」など、ベトナム全土に48の不動産プロジェクトを展開しています。(2024年時点)

ビンホームズの親会社はベトナム最大の複合企業のビングループ。

ビンホームズの強みは住宅、住まいを中心としてグループ会社が展開するオフィスやホテル、病院、学校、最近ではEV車などと相乗効果を生み出していること。

✅どんな企業かざっくり理解した所で次の見出し以降で業績や配当、株価動向をみていきます。

【ビンホームズ】ここ数年の業績の変化

(出所:ベトナム金融情報サイト「Vietstock」)

上記は2020年〜2023年、直近4年のビンホームズの業績推移です。

数字をみればわかりますが、ビンホームズの業績は有望な中小型株のように毎年、右肩上がりに売上や利益が増えているわけではありません。

ビンホームズはすでにベトナム最大手の不動産デベロッパーであり、毎年の収益(Net revenue)や営業利益(Operating profit)はベトナム不動産市場の業界動向や開発したプロジェクトの販売時期などが大きく影響しています。

【直近5年】ビンホームズの株価推移

ビンホームズ 株価推移

(チャート出所:Trading View)←ここから最新の株価を確認

上記チャートは2019年末〜2024年8月末までの約5年間のビンホームズ株の株価推移です。

後述している、8月上旬の自社株買いの発表後は株価を戻してきており8月末時点の株価は41500ドンとなっています。

ここ5年でみると、2020年3月頃のコロナショックで株価が急落した後、ベトナム国内で不動産市場が盛り上がった2021年頃に1株9万ドンを超えて急落時と比べて株価は2倍以上に急騰。

ただ、2022年以降はベトナム不動産市場での混乱や有名企業の不祥事などが表面化してきたこともあり、それに引っ張られる形でビンホームズ株の株価も低迷しています。

ここ5年の中期ではビンホームズの業績というよりもベトナムの不動産市場や株式市場、また親会社のビングループの経営状況による影響が大きく株価に影響しています。

ビンホームズの配当実績【22年以降は配当なし】

直近5年(2019年以降)のビンホームズの配当実績は以下の表の通り。

確定時期 比率 配当額(1株当たり) 分配年度
2022年6月 20% 2,000 vnd 2021年度分の分配
2021年9月 15% 1,500 vnd 2020年度分の分配
2021年9月 30% 株式配当 2020年度分の分配
2019年8月 10% 1,000 vnd 2018年度分の分配

(※配当実績の出所:ベトナム金融情報サイト「Vietstock」)

ご覧のように2022年6月の現金配当が直近で最後の配当

ベトナム不動産市場は2022年〜23年にかけて大手デベロッパー「ノバランド」の不祥事や違法な社債発行などの問題が表面化し市場が低迷、ベトナム株市場でも不動産セクターの株価が軒並み急落していました。

この間、ビンホームズは業績が低迷するといったことはなかったものの、配当より事業投資を優先しています。

2024年中の配当計画はなし

ビンホームズが手がけるプロジェクト(同社HPより)

2024年の配当計画(2023年度の事業分)についても、ビンホームズは新規プロジェクトの開発資金を優先し配当を支払わないことを株主総会で決定しています。

ベトナム株投資では高配当銘柄が数多く存在しますが、ビンホームズを始めとした不動産セクターの銘柄は配当を出すことよりも新規プロジェクトへの投資や資金繰りを優先する企業が多く、配当目当ての投資先の選択肢にはなりえないと筆者は考えています。
✅配当利回りの高いベトナム株の調べ方やおすすめの高配当株などは別記事で解説してます>>【ベトナム株】高配当株の罠と仕込みたい銘柄4選

【2024年下半期〜】ビンホームズの株価と業績へのプラス材料

2024年の後半以降、ビンホームズの株価上昇や中長期的に追い風となると考えられる主な材料は以下3つ。

  1. 自社株買いの発表
  2. 【2024年8月】不動産関連の新法が施行
  3. 都市への人口集中が続き中長期での住宅需要が増えていく見込みが高い

それぞれ解説していきます。

① 自社株買いを発表→短期的な株価上昇への期待感

ビンホームズの自社株買いを報じる英文記事。

株価が低迷する中、ビンホームズは

  • 発行済み株式の8.5%=最大37,000万株

の自社株買い計画を発表。(※自社株買いの実行はベトナム国家証券委員会の承認を得てから)

自社株買いに乗り出す理由として、株主の利益を守るためと説明。

発表した当日(8月7日)のビンホームズ株は急騰し7%上昇、ストップ高となり市場が反応しました。

ストップ高となった翌日以降の株価は落ち着いていますが、実際に自社株買いが承認、実行へ進んでいけば株価の押し上げが予想されます。

② 不動産関連の新法施行は資金力のあるビンホームズには追い風に

ベトナムで不動産物件を購入する際、これまでは保証金、デポジットを売買契約の前に例えば購入価格の90%を支払う=開発業者が売買契約、物件引き渡しの前に多額の資金を受け取ることが法律上、可能でした。

ただ2024年8月からは新たな法律が施行されデポジットの規定が以下の通りに。

  • これまで:保証金(デポジットの支払い)は上限なし
  • 2024年8月施行の新しい法律:デポジット支払いの上限が5%に

不動産デベロッパーとしては、これまでは新築物件の完成、引き渡し前の販売段階で大半の資金を回収し新規プロジェクトへの投資に回すといった資金繰りが可能でしたが、今後はそういった資金の運用が難しくなります。

そのため、多くの中小の不動産デベロッパーにとっては新規プロジェクトの実施コストが上昇、開発スピードがこれまでより遅くなることが予測されます。

ただビンホームズのような大資本、資金力のある企業にとってはこの法改正は有利に働くと考えられています。

📖上記情報、ベトナムでの不動産の法改正については以下の英文記事を参照
>>New land laws to expedite house-building progress

③ 中長期で進む都市化率の上昇が住宅需要の押し上げ要因に

統計データ出所:statista

上記のグラフは過去10年(2013年〜2023年)のベトナムの都市化率の推移です。

都市化率とは平たく言うと、都市への人口集中率、総人口に占める都市部の人口の割合。

ベトナムは国全体で人口増加、経済成長が続いていますが同時にハノイやホーチミンといった都市への人口集中が年々進んでいます。

2030年には都市化率50%到達へ

Vietnam aims to be 50 percent urbanized by 2030, with certain centers among the top in Southeast Asia in terms of medical and education standards.(引用元:Vnexpress

2023年時点で都市化率は約39%に達していますが、今後も都市化は進むことが予測されています。

ベトナム政府も都市化を推進しており、2030年までに都市化率50%を目標としています。

都市化が進み住宅などのインフラ需要が増え続けていくことはビンホームズを始めとした不動産デベロッパーやベトナム不動産市場全体にとって成長の機会になっていくことが予測されます。

✅プラス材料に続き、ビンホームズ株のリスク、懸念点は次章で!!

ビンホームズ株のリスクは親会社によるEV事業への巨額投資

ビングループが2017年に立ち上げたEV事業「ビンファスト」はわずか6年で海外展開、米国🇺🇸での販売を開始。

ベトナム最大の複合企業ビングループが、電気自動車(EV)事業の継続へ資金調達を急いでいる。主力事業の売却や新規上場の計画が相次ぐ。EV生産増強などに資金を充てるとみられる。ただEV関連部門の赤字がグループ全体の財務を傷めており、資金繰りを懸念する声も出始めている。(引用元:日本経済新聞 2024/06/06)

ビンホームズはベトナム最大の複合企業ビングループの子会社であることを先述しましたが、そのビングループが現在、一番注力しているのがEV事業「ビンファスト」です。

ビンファスト 米国上場までの歩み

上記年表は筆者が独自に作成。これまでのビンファストの歩みをざっくりまとめたものです。

設立からまだ7年ですがすでにベトナム国内では街なかでビンファスト車を多くみかけますし、昨年(2023年)からはタクシー、ライドシェア事業も手かげて今ではGrabを凌ぐほどビンファストのタクシーがベトナム市場を席捲しています。

ただ海外事業の本格展開はこれからという段階、米国やインド、インドネシアなどでの工場設立や世界各地での販売拠点の構築などに巨額の資金が必要な状況が続いています。

そのため、投資家の多くはビンホームズの不動産事業での稼ぎがEV事業への投資に回っていくことを懸念しています。

✅ビンファスト🚗については別記事でくわしく紹介しています
>>【米国上場】ベトナム新興EV「ビンファスト」の評判と今後の展望

ベトナム現地証券によるビンホームズの株価予測は5万vndという強気予想も。

24年中に販売開始予定のビンホームズ コーロア(ハノイ)

2024年中に販売開始予定のビンホームズ コーロア(ハノイ)

ベトナム現地の証券会社の一つ、DSC証券は6月下旬にビンホームズ株の2024年後半〜2025年にかけての目標株価を50,000 vndと予測し買い推奨を出しています。

その理由として、

  • ビンホームズ株の株価が4万ドンを割っているのはこれまでで最低の評価額、売られ過ぎている
  • 今後10年はベトナム不動産市場をリードしていく可能性が高く長期投資には魅力的な株価水準
  • 不動産市場での評判を確立しているのに加え資金力が強いこと

などを挙げていました。

(※株価予測を出しているベトナムローカル記事:nguoi quan sat

筆者も3年ぐらい先までの中期、またそれ以上の時間軸での投資であれば十分、投資妙味はあると思っていますが、短期投資では不動産市場の行方が不透明な部分が多くあるのでリスクが結構あるなーと考えています。

別のローカル証券会社によるビンホームズの株価予測は43,900vnd、こちらの数字のほうがリアルかも

8月末に、ベトキャップ証券という別の証券会社がビンホームズ株の目標株価を43,900vndとしています。

今後のプラス材料として、

  • ビンホームズ コーロア(ハノイ)などの新規プロジェクトが24年~26年の利益見通しを下支えすると予想

しているものの、

  • 8月上旬に発表した自社株買い計画について、株主からの意見収集および証券委員会の承認は9月中に行われる見通しであるものの、具体的な実施時期や価格帯が公表されていないこと

をネガティブ材料として挙げていました。こちらの方が現実的な予想かなーと。

(※株価予測を出しているベトナムローカル記事:BNEWS

2024年9月までに仕込んでおけば損失リスクが限定され堅実に稼げると考えられる銘柄はビンホームズ株(住宅不動産)ではなく〇〇セクター

ビンホームズ株は、稼いだ資金が先述した親会社ビングループが進めるEV事業🚗への投資に向けられることで事業成長が続くのか投資家から懸念が出ており、安易に投資するのは危険性が伴います。

筆者がここ最近見出した

  • 着実に成長する市場で事業拡大中
  • ある理由で2024年9月までは売り圧力がかかり株価上昇が抑えられている
  • 2024年後半〜2025年にかけて堅調な株価上昇が見込める

という銘柄については以下の有料noteで徹底解説しています。

📚有料なので「ベトナムの内需、成長市場について詳しく学びたかったり、ベトナム株に本気で向き合ってる方のみが対象」以下リンクから無料部分をチェック>>【ベトナム株】VN30銘柄で損失リスクが低く手堅く株価上昇が見込める可能性が高いたったひとつの銘柄を徹底解説

まとめ:ビンホームズ株への投資は魅力十分なもののリスクも大きい。

ビンホームズ 

自社株買いを発表して短期的には株価上昇が期待されるものの、投資家心理としてはグループのEV事業への投資、財務状況への懸念が残り続けるであろうビンホームズの現況について解説しました。

ビンホームズ株の理解をさらに深めたい方は、以下のアニュアルレポートの一読がおすすめです。ベトナムの企業としては珍しく、ビンホームズやビングループは毎年、英文で株主向けにアニュアルレポートを発行して情報開示をしてます。

📖(参考)>>Vin homes 2023 Annual Report

最後までお読み頂きありがとうございます!!

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