【新興国株ETF】VWOは買うべきか?フロンティアETFと比較解説
新興国株へ投資したい人 「著しい経済発展が続く新興国へ投資したい。少額から買えるおすすめのETFをおしえて!」
こんな疑問に答えます。(記事更新日:2024年4月24日)
今後も経済発展が期待される新興国株に投資してみたいと思っていませんか?
とはいえ、新興国の企業に投資するのはハードル高いイメージありますよね。
そこで、本記事では米国上場=1株単位で新興国株に投資できるETFを紹介します。
成長が続く新興国の株式へ投資→成長の恩恵を受けられるETFを投資の選択肢に入れましょう。
この記事を読むと、
- 株式市場でいう「新興国」はどんな国々なのか。
- 新興国ETF「VWO」💹 の特徴や主な組入銘柄
- 「VWO」は実際いくらから、どこで買えるのか。
がわかります!
まずは新興国株とはどこの国かを解説
投資家 「そもそも新興国ってどこの国のことなのかちゃんと知りたい。どんな国のことを指すの?」
当ブログでは主にベトナム🇻🇳の株式について解説していますが、株式市場の位置付けとしては現状ベトナムは新興国ではなく、その下のランクです。
世界各国の株式市場のランクはMSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)が出しています。
MSCIは以下4つのランクに分けて世界各国の株式市場を分類しています(以下の筆者作成の図解参照)
株式市場の位置付けとして新興国は日本や米国の先進国市場に次ぐ位置付けとなっています。
新興国にランクされているのは中国、インド、ブラジルを始めとした以下の国々です。
【アメリカ大陸】ブラジル、チリ、コロンビア、メキシコ、ペルー
【ヨーロッパ/中東/アフリカ】チェコ、エジプト、ギリシャ、ハンガリー、クウェート、ポーランド、カタール、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、UAE
【アジア】中国、インド、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、台湾、タイ
(出所:MSCI 公式)
ブラジルやメキシコ、南アフリカ、インド、インドネシアといった国々は新興国のイメージと一致するでしょう。
ただ、中国や韓国が新興国に位置付けられていたり、ここには入ってないけど新興国のイメージがある国もあるかと思います。
世界の株式市場で新興国は、「先進国と比べ現在の経済水準は低いものの、高い成長性を秘めた国々」という定義です。
また、新興国の下のランク「フロンティア市場」と比べて株式市場の流動性が高く、投資しやすいという側面もあります。
✅次の見出しからは、新興国市場へまるっと投資できるETFを紹介します。
新興国ETF(上場投資信託)「VWO」とは
新興国株へ少額から投資をスタートする選択肢になるのがETF(上場投資信託)の「VWO」です。
VWOは米ニューヨーク市場に上場するETFで1株単位で売買が可能です。
また、大手資産運用会社「バンガード」が発行しています。
正式名称 | バンガード・FTSE・エマージング・マーケッツETF |
運用資産総額 | 約717億USD (約11兆円) |
取引所 | NYSEアーカ(米国) |
設定日 | 2005年3月4日 |
インデックス | FTSE Emerging Markets All Cap China A Inclusion Index |
経費率 | 0.08 % |
保有銘柄数 | 5,700銘柄 |
配当利回り | 3.57% |
(※2023年9月時点のデータ。参考元:Vanguard公式)
新興国市場の主要企業、約5,700の銘柄にまとめて投資できるETFで経費率が0.08%と後述するフロンティアETFに比べ手数料が大きく抑えられています。
また、四半期ごとに配当スケジュールが設定されていて、直近の配当利回りは約3.5%。
「VWO」の構成国と国別比率【トップは中国】
世界の株式市場での新興国の位置付けと新興国ETF「VWO」の概要を理解したところで、ここからはETFの中身をみていきます。
まずはVWOに組入されている上場株の国々をチェック!
国 | 保有比率(※2023年11月30日時点のデータ) |
中国 🇨🇳 | 29.9% |
インド 🇮🇳 | 20.0 % |
台湾🇹🇼 | 18.9 % |
ブラジル 🇧🇷 | 6.7 % |
サウジアラビア 🇸🇦 | 4.3 % |
その他(南アフリカ/メキシコ/タイ/インドネシア…etc) | 20.2 % |
(参考元:Vanguard公式)
こちらは新興国ETF「VWO」の国別の比率、割合を示した表です。
ご覧のようにトップが中国🇨🇳でETF全体の約3割を占めています。
そして2位がインドで約2割。つまりETFの半分が中国株とインド株です。
それらに続くのが台湾、ブラジル、サウジアラビアとなっています。
その他の内訳👇は
- 南アフリカ🇿🇦:3.3%
- メキシコ🇲🇽:3%
- タイ🇹🇭:2.4%
などアフリカや中南米、東南アジアの国々が多く入っています。
✅ 次の見出しではVWOの組入比率が高い具体的な企業を紹介していきます。
「VWO」の主な構成銘柄を紹介
ティッカー | 銘柄名 | 国 | 業種 | 保有比率 |
2330 | Taiwan Semiconductor Manufacturing Co. Ltd. | 台湾 🇹🇼 | 製造(半導体) | 4.74 % |
700 | Tencent Holdings Ltd. | 中国 🇨🇳 | IT | 3.34 % |
9988 | Alibaba Group Holding Ltd. | 中国🇨🇳 | IT | 2.54 % |
RELIANCE | Reliance Industries Ltd. | インド🇮🇳 | 石油化学 | 1.3 % |
上記はETF「VWO」の組入比率の高い上位4銘柄です。(2023年9月末時点)
トップは台湾の半導体メーカーのTSMCです。
上位4銘柄の内訳は台湾の半導体大手が1社、中国のIT企業が2社、インドの石油化学企業が1社。
この4銘柄でETF全体の1割強を占めています。4社それぞれカンタンに紹介します。
①TSMC(世界トップの半導体メーカー)
TSMCは半導体を製造する台湾の会社で世界トップの半導体メーカー。
1987年に台湾で創業。米国や中国にも製造拠点を持つほか、日本にも熊本に工場建設を進めており、2024年から日本でも半導体生産を開始する計画です。
半導体はPC、スマホ、自動車、家電などあらゆる製品に使われる現代では欠かせない電子部品。
TSMCの強みは圧倒的な半導体の供給力や高水準のチップ製造技術。世界の主要メーカーの多くが半導体の供給をTSMCに頼っています。
そして2024年になって、「世界最強半導体ファウンドリーのすべてがわかる」というキャッチコピーでTSMCの強さに迫るビジネス書が登場。TSMCの強さの秘密に興味がある方は一読の価値アリです。
- 2020年の半導体の市場規模:約50兆円👇
- 2030年の半導体の市場規模:約100兆円(予測)
と市場規模が拡大すると予測されている中、TSMCが今後も半導体市場の価格主導権を握っていくと予測されています。
「AI革命2.0」で急成長するAI投資のチャンスを知れる!
📚2022年末からChatGPTなどの生成AIサービスの急速な普及、AIブームによって半導体の需要が急増し米国エヌビディア株は大幅上昇しました。
✅今後、注目に値するAI関連銘柄は以下の別記事で解説しています >>【ネタバレ】AI関連銘柄の本命はコレ。AI革命2.0とブームの罠
②テンセント(中国のIT大手)
テンセントは1998年に中国・深センで創業。
メッセンジャーアプリ「WeChat」を展開。
「WeChat」を軸にオンラインゲームやオンライン広告、AI事業など幅広くサービスを展開。
「WeChat」は2011年にサービス開始以降、中国で最も幅広く利用されるソーシャルコミュニケーションプラットフォームに成長。
中国内外での月間アクティブアカウント数は12億人超に達しています。
③アリババ(中国のAmazon)
アリババは中国最大のEコマース企業。1999年に創業し現在は中国のEC市場で最も影響力の大きい会社に。
BtoBのECサイト「アリババドットコム(Alibaba.com)」から事業をスタートしその後はBtoCのショッピングサイトなど複数のECプラットフォームを展開。
また、ECサイト上で使える決済サービス「Alipay(アリペイ)」などEC以外にも事業領域を拡大しています。
④リライアンス(インドの大手財閥)
リライアンス・インダストリーズはインドの大手財閥、複合企業。
石油ガスや石油化学製品の生産販売、航空燃料の販売からタイヤ生産など様々な事業を手がけるインドを代表する企業。
(画像の出所:同社HP)
これまでリライアンスは石油化学関連の事業を中心に発展してきた財閥です。
ただ、2021年には太陽光パネルの製造やグリーン水素関連の事業など再生エネルギー分野への事業への投資を強めていくと発表し事業の多角化を進めています。
✅ここまでで新興国ETF「VWO」の概要をざっくり掴めたかと思います。次の見出しでは実際いくらから買えるのか、ここ最近の株価推移をみていきます。
新興国ETF 「VWO」の株価推移+1株いくらで買えるのか
(※株価の出所:Google Finance)
上記グラフは新興国ETF「VWO」の2023年〜2024年4月下旬までの株価推移です。
4月下旬時点の株価は1株が41.5ドルほど。
2024年に入ってから組入率トップ、半導体大手TSMCの株価上昇に伴ってじわじわ株価が上昇してます。
41ドル=ざっくり6,500円あれば買える感じですね。(※4月下旬時点の株価と為替に基づく)
新興国ETF「VWO」の株価動向は無料の次世代投資アプリ「moomoo」が便利!
米国上場の新興国ETF「VWO」の最新の株価動向などは次世代投資アプリ「moomoo」でサクッと確認できます。
上の図は筆者のmoomooアプリ画面から引用して作成したものです。
- ETFのチャート
- 売買の分析情報
- ETFの最新の組入上位銘柄や業界分布
などをサクッと確認できます。
✅「moomoo」アプリの使い方や始め方は別記事で解説しています >>【無料】「moomoo証券アプリ」の使い方と始め方を解説
「VWO」の配当(分配金)の推移
ざっくり1株6000円で買えると先述した新興国ETF「VWO」ですが、定期的に分配金を出しています。
下記グラフは直近2年の分配金の実績です。
権利落ち日 | 分配金単価 |
2023年12月19日 | USD 0.8649 |
2023年9月19日 | USD 0.3275 |
2023年6月21日 | USD 0.2267 |
2023年3月21日 | USD 0.0281 |
2022年12月20日 | USD 0.6347 |
2022年9月20日 | USD 0.5294 |
2022年6月22日 | USD 0.3057 |
2022年3月22日 | USD 0.1339 |
(参考元:Vanguard公式)
2022年、2023年の直近2年間は年間4回分配金を出しています。
直近の年間配当利回りは約3.5% (3.57%)でした。(※2024年1月時点のデータ。参照元:Stock Analysis)
新興国経済の長期成長とともに株価上昇が期待されるETFですが、定期的に配当が出ることもVWOの魅力です。
新興国ETF「VWO」とフロンティアETF「FM」を比較
本記事で解説している新興国ETF「VWO」と比較検討したいETFとして、新興国よりランクが下でベトナムなどの発展途上国へ投資できるフロンティアETF「FM」があります。
そこで、2つのETFを比較しました。
VWO(新興国) | FM(フロンティア) | |
純資産総額(概算)※2023年3月上旬 | 約11兆円 | 約898億円 |
経費率 | 0.08% | 0.79% |
組入銘柄数 | 5,700 | 172 |
最低投資額(概算)※2023年6月中旬 | ざっくり6,000円で1株購入可 | ざっくり4,000円で1株購入可 |
上記は「VWO」と「FM」の比較表です。
どちらも米国上場のETF。1株から購入でき少額から投資を始められます。
結論、
- 先進国株式がメインでサブとしての位置付けで投資するなら「VWO」
- リスクをとりフロンティア市場の爆発的な成長に賭けたいなら「FM」
という選択になるかと思います。
1万円あればそれぞれのETFを1株ずつ買えるので両方ともに投資するのもアリですね🤔
フロンティアETF「FM」は個別株では新興国以上に判断の難しい急成長市場の企業に幅広く投資できるのがメリット。
ただし、経費率=投資にかかるコストがVWOよりやや高いこと、株式市場が未成熟で不安要素が新興国より多いのがデメリットです。
✅ フロンティ市場へ幅広く投資できるETF「FM」は別記事で解説しています >>フロンティアマーケットへ投資できるおすすめETF「FM」を解説
「VWO」のデメリットとメリットを考察
ここまでは新興国ETF「VWO」の特徴やETFの中身をみてきました。
ここからはVWOへ投資するメリット、デメリットを解説します。
まずデメリットとしては以下の点が挙げられます。
- ETFの約半分が中国と台湾の企業で政治的リスクを抱えること
一方でメリットとしては以下の点が挙げられます。
- 新興国の5,700の銘柄へ分散投資できる
- 経費率(投資にかかるコスト)が低い
それぞれ解説します。
デメリット:ETFの約半分が中国と台湾企業
「VWO」の構成国で紹介したように、
- 1位:中国:29.9%
- 3位:台湾:18.9%
と両国の企業でETF全体の半分近くを占めています。
これは昨今、米中が対立する中で中国の台湾侵攻、米中の軍事衝突のリスクが高まる国際情勢の中では対立する2カ国の企業がETF全体の半分近くを占めているのはデメリットになり得ると考えられます。
メリット①:新興国の5,700の銘柄へ分散投資できる
中国、台湾、インド、ブラジルといった国の個別の企業へ投資するのはハードルが高かったり特定企業への投資には高いリスクが伴いますよね。
VWOは新興国の企業へ幅広く分散投資ができるのがメリットです。
組入銘柄数が5,700とフロンティアETFの組入銘柄数の約170と比べて圧倒的に多く、幅広い国の企業へ投資ができるのは魅力的です。
メリット②:「VWO」は経費率(コスト)が低い
VWOの経費率は0.08%とフロンティアETF「FM」の経費率0.79%と比べると約10分の1の水準。
- 経費率0.08%=100万円投資してかかるコストは800円
ということに。
新興国市場の幅広い企業へ分散投資ができることを考えると、この水準は魅力的です。
新興国ETF 「VWO」はどこの証券口座で買える?
SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 | moomoo証券 | |
VWO | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
米国上場のETF「VWO」ははSBI/楽天/マネックスのいずれの大手ネット証券でも取引できます。
加えて、先述した次世代投資アプリのmoomoo証券でもVWOが買えます。
moomoo証券は2022年から日本での情報配信サービスを開始→2023年9月からは大手ネット証券よりも手数料が割安で米国株の売買ができる証券サービスもスタートしています。
米国ETF「VWO」が買える「moomoo証券」は人気銘柄4株がもらえる太っ腹キャンペーン中
SBI証券や楽天証券より米国株や米国ETFの売買手数料が安いことが魅力のmoomoo証券がキャンペーン中。【2024年4月スタート】moomoo証券は無料口座開設+入金でもれなく全員アップルやテスラなどの人気銘柄4株がもらえます!!
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まとめ(新興国ETF「VWO」を投資の選択肢に)
新興国の幅広い銘柄へ分散投資ができるETF「VWO」の特徴や投資するメリット、デメリットなどを網羅的に解説しました。
著しい経済成長が続いていることが新興国の魅力ですが、政治経済、社会情勢の変化といったリスクも伴います。
日本株や米国株などの先進国株式をメインに投資している投資家がサテライトの投資先として選択肢に入れるのがおすすめです。
最後までお読みいただきありがとうございます。では!